カーライフ

初心者ドライブで夜の首都高を爆走 【新しい肝試しスタイルを検証】

新しい肝試しのスタイルを記者が体当たりで検証する夏季限定のシリーズ企画。
前回「初心者ドライブで夜の歌舞伎町を迷走」では、高級外車、闇紳士たちでむせかえる繁華街の裏路地を、ペーパードライバーが疾走(!?)。「コスッてはならない」緊張感に冷や汗の連続だったわけだが、今回のテーマは「ペーパードライバーの運転で夜の首都高を走る」である。

首都高ルートは新宿ランプをスタートしてから4号新宿線を西に進み、箱崎ジャンクションを北上。そのまま中央環状線に合流し、左回りに戻る形で、西池袋ランプがゴールという設定。走行距離は約30Km、順調にいけば30分ほどで走破できるはずだが、なんといっても走るのは首都高。急カーブ、右左からの合流が連続し、ベテランドライバーでも肝を冷やす、世界でも指折りの「交通の難所」だけに予断を許さない。

用意した車は記者の愛車・ボルボV50。前回も説明したが、まだ走行距離500kmにも満たないピッカピカの新車だ。記者にとってはペーパードライバーに普通の公道を走らせるだけでも冷や汗ものなわけだが、ハンドルを握る女ライターR(33歳)は「大丈夫ですよ、私、ゴールド免許保持者なんで」とのん気なもの。「免許を取ってから15年間、運転したのが沖縄旅行で借りたレンタカーだけならゴールドなのは当たり前」とツッコミたくなるのをグッとこらえて、都庁前をスタートした。

予行運転もほとんどなく、新宿入口を通過……するが、スタート直後、いきなりの急ブレーキ。

「怖い……ダメ、入れない」

そう。ひっきりなしに車が流れるため、本線に合流できないのだ。仕方なく、助手席から右後方に目をやり、「よし、行け!」とゴーサイン。慌ててアクセルを踏み込んだR、キュルルルッとタイヤの擦り減る音と共に急発進。あわや路肩にぶつかりそうになり、早くも心が冷える。肝心のRはというと、「なんで私がこんな目に……」と不安と憎悪の入り混じった複雑な表情を浮かべて前方を凝視している。

「右とか左とか見る暇ないんで、後ろ!見ててください!!」

「サイドミラーを見る暇がない」とはほとんど逆ギレだが、なんといってもこの先は、三宅坂→竹橋→神田橋→箱崎と小刻みにジャンクションが連続する魔のエリア。合流が連続するだけに、後方からくる車両の動きを観察しながら、「行ける行ける、右」、「あっ、左っ速い、ちょっとゆっくり」などと、Rに対して絶えず指示を出す。何か口にするたびに「えっ? 左?」などと聞き返して、その度にブレーキをかけたりハンドルが左右にぶれたりして、運転が不安定になるから疲労感は倍増。分岐ギリギリの場所で完全に停車して、後方からクラクションの大合唱が響き渡るなか、大縄跳びになかなか入れない“運動音痴の人”状態に陥ることも少なくなかった(後続車の皆さん、本当にご迷惑をおかけしました。この場を借りて心からお詫びいたします)。

とにかくこの「助手席から後方を見て声をかける」システムの致命的な弱点は、「すべての対応が一手遅れる」ということだろう。特に合流地点では、他の車のスピードから逆算してスピードを上げたり下げたりする必要があるのに、それができないのだ。

首都高・合流

入るタイミングがつかめないまま、合流地点で停止すること数知れず

その後、ほうほうの体で中央環状線に入ったはいいが、ルーレット族の首都高バトルに巻き込まれたりしてRの口からは絶えず「ギャーッ」、「ビックリしたぁ。死ぬかと思ったぁ」などの悲鳴がこぼれてくる。ヒューゥゥゥンと、甲高いエンジン音を上げながら超高速で横を駆け抜けるグレーのソアラに対して「なんなのあの運転、信じられない」と怒りを露わにしたRに対して、「いや、お互い様だから」とうっかりイヤミを言えば、車内の空気は一瞬で凍りつく。う~ん、こういう“冷え”は求めていないんだけど……。

結局、ゴール地点に辿り着いたのは、スタートして1時間経ってからのこと。たいした渋滞も無かっただけに、その悪戦苦闘ぶりがおわかりになるだろう。

今回の企画、怖い思いをしたことは確かなのだが、運転手のR、そして助手席の記者ともに、「怖さを感じる前に疲れた」というのが本音。肝を冷やすどころか、ビッショリかいた汗で暑さが倍増した。となると採点は……。

【今週の体感“冷却”値 30%】

次回は「場違いな格好で高級ブティックに潜入」をお送りいたします。

※【新しい肝試しスタイルを検証】 その1 初心者ドライブで夜の歌舞伎町を迷走
http://nikkan-spa.jp/31680




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