車間距離は10cm以下!恐るべしインドの交通事情
ヨガ、カレー、ガンジー、お釈迦様、レインボーマン(笑)。インドで思い浮かぶものは、せいぜいこんなもんですが、同国は昨今、経済成長に対する期待が非常に高まっている注目株。しかし、高度経済成長期を知らない世代には、今のインドの状況がすんなりとイメージできないのも確か。そこで実際に行って、その勢いを実感してきました
西村直人=文・写真 Text&Photographs by Nishimura Naoto
◆ノーヘル上等!交通ルール無用。経済成長著しいインドの道路事情
5月にインドのマンモハン・シン首相が来日するなど、日本とインドの関係は良好で、この来日を機に、インフラや製造業を中心とした日本企業によるインドへの投資活動拡大が期待されている。
中国と並ぶ大国として注目度の高いインドだけに、インフラや製造業への集中投資ともなれば、“ヒト、モノ、カネ”を行き渡らせるための物流は膨大な量となるのは必至。日本の約9倍という広大な国土を、所狭しとトラックなどの商用車が走り回ることになるわけだが、そんなインドの現状はどうなのか? 実際に訪れてみて、経済発展の凄まじさを目の当たりにしてみた。
訪れたのはインド南東に位置するチェンナイ。インド第4の人口(約770万人)を誇る都市で、昔の名はマドラスという。深夜便だったので、チェンナイ空港から直接ホテルを目指したのだが、乗り込んだタクシーでいきなり面食らった。
いかんせん走っているクルマの台数が尋常ではないほどに多く、しかも、先進国で慣れ親しんだ交通ルールは見る影もない。あるのは激しいクラクションとパッシングライトの嵐だ。これまで中国の北京や広州、タイやベトナムでも同じような道路環境を体験してきたが、チェンナイのそれは明らかに桁違いだ。
とはいえ、不思議と接触事故が少ない。小魚の群れが互いに限られたパーソナルスペースを保って泳ぐように、2車線(といっても道路標示は曖昧)の道幅に4、5台のクルマが進行方向を同じくする。車間距離は時に10cm以下ということもザラながら、それでも車線変更(つまり横方向への移動)が、超がつくほどゆっくりのため、お互いが絶妙に避けながら接触せずに走り続ける。わが国でブームになりつつある「ぶつからないクルマ」は、この国では無用か?と思ったほどだ。
そしてクルマ以上に多いのがバイク。しかも、ほとんどノーヘルで(法規はヘルメット装着)、3人、4人乗りなんてのもチラホラ見受けられる(法規は2人まで)。特に、タンデムシートに座る若いお母さんが、赤ちゃんを抱えている姿には参った(要するに3人乗り)。クルマがまだまだ高価なインドだけに、こうした姿を頻繁に目にしたが、手が滑ったらどうするのだろうと、やりきれない気持ちになった。
⇒【後編】「リキシャからバスまでバラエティに富んだインドの交通機関」に続く https://nikkan-spa.jp/467839
― ノーヘル上等!交通ルール無用。経済成長著しいインドの道路事情【1】 ―

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