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廃線危機のローカル鉄道に転職した“再生請負人”

ローカル鉄道

これからますます表面化してくる赤字ローカル鉄道の廃線問題。再生ノウハウの共有が急務だろう

 NHKの朝ドラ『あまちゃん』で注目が集まる第三セクター方式のローカル鉄道。現在、廃線の危機に直面するローカル鉄道の“再生請負人”として手腕を振るっているのが、茨城県にある「ひたちなか海浜鉄道湊線」の吉田千秋社長(49歳)だ。大学卒業後、富山地方鉄道に入社し、同県の高岡市と新湊市を結ぶローカル鉄道・万葉線の再建に携わったのがきっかけだという。

「当時、万葉線は赤字が続き、最盛期には470万人いた利用者が98万人まで激減していた。そこで鉄道会社と市民、行政が協力し合い、5年で115万人まで回復させることができ、ローカル鉄道初の再建事例になりました。三位一体になれば、地方鉄道は守れると思ったんです」

 その成功体験もあり、’08年に一般公募から湊線の社長に就任。

「湊線は経営不振で職員の志気は下がっていました。しかし、1億円以上の赤字を抱える鉄道もあるなか、湊線の赤字は約3000万円。さらに沿線には、国営ひたち海浜公園や那珂湊おさかなセンター、アクアワールド・大洗などの観光スポットもあり、集客も悪くない。だから再建できると確信しましたね」

 乗客に「乗車証明書」を渡し、見せると商店街で特別サービスが受けられたり、花火大会の優先席を取り入れたりと工夫し、1年で70万人から75万人へアップした。

「震災を乗り越え、市民にも鉄道を支えようという気持ちが芽生えたことも大きかったですね」

 吉田社長の次なる目標は、人材育成と経営ノウハウの共有だという。

「’13年から『ローカル鉄道・地域づくり大学』を開校しました。ローカル鉄道が地域のシンボルとして存在意義を持ち、地域を活性化しながら再生を果たすためのノウハウを体系化していきたいですね」

― [流行企業]転職組の今【7】 ―




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