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多摩川を棲み処にする巨大怪魚を捕獲せよ!

今、多摩川に異変が起きている。本来日本にはいない熱帯魚や外来種が増殖を続けているのだ。こうした現象は何を物語っているのか? 都心の川に起こっている現実に刮目せよ!

多摩川を棲み処にする巨大怪魚を捕獲せよ!(前編)

前夜の豪雨がやんだ10月の早朝、取材班は熱帯性外来種の魚が爆発的に増え、最近では「タマゾン川」などと揶揄されている多摩川に到着した。事前に集めた情報によると「タマゾン」と呼ばれる地域は多摩川の下流域。地図を紐解くと、”バーベキュー問題”で注目を集めている小田急線・和泉多摩川駅付近から田園都市線・二子玉川駅周辺、さらに東急東横線・多摩川駅から羽田空港に至る流域がそう呼ばれているという。そこで、その下流域のほぼ中心、東京側の玉川公園付近から捜索を始めることにした。

 土手を乗り越え、河原に下りるとおびただしく繁茂するブッシュ。泥に足を取られる取材班。雨は小やみになったとはいえ、水量は多い。本家本元のアマゾン川の如く真っ茶色の水がごうごうと流れていく様には恐怖すら覚える。

 釣り歴24年、同行の元釣り雑誌のライターYと釣り歴20年のTによれば、雨上がりで水量が豊富、この時期の比較的気温が高い日は魚も活発で、釣りにはうってつけなのだとか。

 期待を胸に、釣り具を準備。エサには最も一般的なミミズ、外来種の大物が好みそうなエビ、そしてピラニアなど肉食魚が大好物だという牛肉を用意。釣りの世界では”邪道”といわれる撒き餌のパン。Yにはルアーも準備させ、スタイルは気にせずなりふり構わず釣ることにした。

 すると、背後から現れた釣り人と思しき初老の男性に「これで何狙ってるの?」と聞かれた。即座に「ピラニアとかガーパイクとか熱帯産の魚です」と答えるとしばしの沈黙が。「長いことこの辺で釣ってるけど、そんなの聞いたこともないし、見たこともないよ」と一笑に付されてしまった。

 いきなり出ばなをくじかれた格好だが、水が流れ込む入り江にポイントを絞り釣り糸を垂れる。川面では時折音をたてて大きな魚が跳ねる。網で水際を掬うと小魚が逃げる。一般的に大型魚は小魚を捕食するので、この辺に潜んでいるハズだが……。3時間経過。釣れるのはハヤやマブナなどの純国産の”小物”ばかり。急速に水が引き釣果が期待できないためポイントを移動することにした。

 こんどは対岸の川崎市側に渡り、下ること1km。コンクリート護岸の向こうにうっそうとした中洲を発見。目の前の川面を覗くと、茶色い水の中を60~70cmはあろうかという巨大なコイが2匹、悠々と泳いでいる。撒き餌のパンを投げ入れると、もの凄い勢いで食いつく。が、結局コイすら釣り上げることができず、ただ時間が経過した。Yにいたっては自慢のルアーを地球に(根掛かり)もっていかれる体たらく。藁にもすがる気分で、周辺に点在していた釣り人に聞き込みをするが、「外来魚はあくまで『外道』だからポイントや釣り方などの情報は一切共有していない」と一喝されてしまった。

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一般的な魚を釣るためのミミズのほかに「鯛」ならぬ「怪魚」を釣るための蒸しエビとステーキ用牛肉。
撒き餌は釣り界では邪道と言われるが、まだ見ぬ魚には敬意を払い高級フランスパンを使用


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コンクリートの置き石の陰やブッシュの下には大型ナマズなどが生息している可能性が

― 南米化する東京 タマゾン川の怪魚を追え!【1】 ―





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