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センス、見た目は関係ない! オシャレは作れる

メンズファッションのバイヤーMB

「ベーシックなジャケット+シャツスタイルですが、サイズの選び方次第でグッと好印象に。ちなみにボトムはスウェットパンツをはいています」」

 メンズファッションのバイヤーMBです。洋服の買いつけという本業の傍ら、ブログメルマガで「オシャレの正解」について発信していたところ、執筆させていただくことになりました。よろしくお願いします。 「どうすればオシャレになれるの!?」「このジャケットは何を合わせれば正解!?」と誰しもが考えたことがあるだろう。「オシャレの正解」を求めている人は多いけど、実際のところお店に行っても、店員は売ることばかり考えていてアテにならないし、ファッション誌を手にとってみても商品の紹介ばかりでピンとこない。通販サイトにはもちろん、オシャレのセンスなんて売ってないわけで……。  そんなことを繰り返すうちに「正解」がわからなくなり、諦めてしまったり、「オシャレなんて人それぞれだ」「価値観が違うのだから正解なんてない」「そもそも正解なんてない」と思ってしまう。しかし本当に「オシャレは人それぞれ」なんだろうか? 「オシャレなんてイケメンに限るって話でしょ」と思う人もいるかもしれない。しかしスタイリストやデザイナーにイケメンが多いわけではないし、体型がモデル並みというわけでもない。極端な言い方をすれば不細工でもやり方次第で「オシャレ」に見せることはできる。  もし、10人が10通りの「オシャレの正解」があるとするならば、街を歩くイケてる人を見て「あの人はオシャレだよね」「あれはイマイチだ」といった会話は成立しない。しかし、10人が10人思わなくとも、10人中の7~8人がオシャレだと思う「一致」はあるはずだ。それを「価値観が違うから」という言葉で括るのはあまりにも乱暴だと僕は思っている。  では、「オシャレの正解」とはいったい何なのか? どうやったらオシャレになれるのか? あれを着ろ、これを羽織れ、袖をまくれ、襟を立てろ……。色々な小ワザはおいおい語るとして、もっとも肝心なことをたった一つだけ、今回は紹介したい。 ◆それは「バランス」だ。  とくに男性のファッションにおいてはこれがもっとも重要。何の「バランス」かといえば、「ドレスとカジュアルのバランス」だ。例えば、「ドレス」とはスーツのこと。ピシっとしたジャケットにスラックス、シャツにネクタイを締めた「正装」をイメージしてもらうといい。「カジュアル」とは普段着だ。スウェットやパーカーやデニム、スニーカーやサンダルといった「リラックスウェア」のことを指す。  よく男性は、スウェットに色落ちしたデニム、スニーカーを合わせる。この「カジュアル全開」のファッションはオシャレだろうか? コンビニに行けばそんな人は山ほどいるけど、僕から見れば、これは単なる普段着ということになる。  また、テーラードジャケットにスラックスにシャツにネクタイを合わせている「ドレス全開」の男性はオシャレだろうか? 丸の内に行けば山ほど見かけるし、これはただの仕事着だと言えるだろう。  この2軸のバランスを取ることが、まさにメンズファッションの肝なのだ。 「カジュアル」は余裕や油断、「ドレス」は緊張や繊細さを表現する。余裕ばかりある人はただのだらしない人だし、緊張感ばかりある人は単なるビジネスマンだ。  この2軸をうまく融合させることで、「カッチリしているけど余裕を感じる」「大人っぽいけど遊びを感じる」といった「オシャレ」になるのである。  今では、テーラードジャケットにインディゴデニムを合わせたスタイルはメンズファッションの定番中の定番になっている。これも「ドレスとカジュアル」のバランスを取った一例だ。テーラードジャケットにスラックスはドレスである。インディゴデニムにスウェットパーカーはカジュアルである。その中間をとっているからこそ、余裕と緊張を同時に感じさせる、「遊び」が発生するのだ。  この考え方を意識するだけで随分と着こなしの「正解」が見えてくるだろう。スウェットパーカーにインディゴデニムにスニーカーを合わせたスタイルで外出しようとした時に、「あ、ちょっとこれはカジュアルすぎるか」と気がつく。そこで「スウェットパーカーをテーラードジャケットにしてみよう」「インディゴデニムじゃなくてブラックの細身パンツにしてみよう」「スニーカーじゃなくてレザーシューズにしてみよう」といったほんのちょっとした一工夫が「正解」につながるのだ。  答えの見えない「模索」は辛いが、うっすらと正解の見える「工夫」は楽しい。そうして色々と着こなしを考えていくうちに、少しずつ「正解」に慣れていきオシャレのロジックが身についていくのだ。 「かわいいは作れる」というキャッチコピーは随分と女性に浸透した。今や「ブスは何をしてもブス」ではなく、「美人は元から美人」でもない。工夫次第でいくらでもかわいくなれるのだ。  男性のオシャレも同様である。「価値観の違い」「イケメンだからオシャレ」などで諦めてしまうにはもったいない。オシャレはもっと意図的に構築できるものであり、「正解」は確実に存在する。「オシャレは作れる」のだ。 「最短でオシャレになりたい!」という人は、まずは「ドレスとカジュアルのバランス」を意識して、自分のワードローブを見直すことから始めるといいだろう。きっと少し答えがわかった気になるはずだ。「オシャレの正解」は存在する。オシャレは才能やセンスではなく、工夫して作り上げる試行錯誤の賜物なのである。 <文/MB>ファッションバイヤー。メンズファッションの底上げを図るべく各メディアで執筆中。“買って着て書いて”一人三役をこなす。年間の被服費は1000万円超! ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」。初の著書『最速でおしゃれに見せる方法』はベストセラーに。最新刊『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』が発売中
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