「○○女子」ブームで潤う各業界。日本酒、自転車、パクチー市場までも
日本酒に自転車、プロレス、パクチー……こんなものにまで女子がつく、もはや飽和状態の○○女子。しかしその内実は、一筋縄ではいかないようで。深遠なる女子の世界を探った!
◆イベントも大盛況「日本酒女子」
女性客が増えることは市場の拡大にも繋がる。
酒造会社も度数が低く甘口で飲みやすいスパークリング清酒など女性向け製品を出すほどになったのは「日本酒女子」の存在に負うところが大きい。
いまや、女性限定の同好会やサークルなども多数登場し始めているほか、積極的に日本酒の利き酒師の検定を受ける女性も増えるまでになった。さらに、今年5月には、女性のための日本酒の祭典「郷酒フェスタ for WOMEN」なるイベントが銀座で開かれ、1000人もの来場者があったというから驚きだ。
◆『弱ペダ』で触発!「自転車女子」
これは『弱虫ペダル』以降、急激に女性客が増えた「自転車女子」も同様だ。
ユーザーが増えたことで物品を販売する店がウハウハなのだ。都内の自転車専門店では、それまでは女性客の多くはカップルだったが、今では女性同士もしくは女性一人客も倍増しているという。
しかも、マンガの人気キャラがかなりの高級車を使用しているため、初心者でも数十万円以上するモデルをいきなり購入する自転車女子もいるんだとか。
カネの使い方も気合が違うのだ。
◆V字回復の一助に「プロレス女子」
そうした「女子」の増加がマーケットを拡大し、V字回復を果たしたのがプロレス業界。人気低迷だった業界を回復させた一因はやはり「女子」だった。会場には20~30代の女性ファンが急増。なかには自宅でDVDを持ち寄って観戦するプロレス女子会を開催する人もいる。試合だけでなく、サイン会や撮影会、トークショーなども大盛況で、握手やハグ、さらにはお姫様抱っこをしてくれるサービス精神旺盛な選手までいる。
ただ、盛り上がりの半面、男性ファンとは熱狂の仕方も違うようで、「選手の体を執拗に触ったり、許可なく抱きついたり、男性ファンなら遠慮するような行為を、図々しくやれてしまう女性ファンがいて困っている」とこぼす関係者もいるようだ。
◆女子が火つけ役に「パクチー女子」
男性の領域に進出する女性たちがいる一方、女性自身が開拓した「女子」界も登場している。
それが’14年秋頃から、パクチーを扱う専門店や食べ放題の店が増え、にわかに注目を集め始めた「パクチー女子」である。
世界初のパクチー料理専門店「パクチーハウス東京」の佐谷恭氏はこう語る。
「男性は食に対して保守的な方が多い。パクチーを初めて口にしたとき、個性的な香りと味に多くの人がネガティブな反応をします。しかし、女性は男性と違って次に違う場所で遭遇したときに『またチャレンジしよう』と好奇心を持っている方が多いと思います」
この「好奇心」という原動力で、今後もますます「○○女子」は増殖していくのだろうか……。
― 増殖する[○○女子]は複雑怪奇になっていた! ―
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