新型カムリは日本のセダン市場を変えるのか?
クルマを所有することが若者のステイタスだった80年代――。デートの前日、徹夜でマイベストテープをつくり、インレタでタイトルづけした記憶が懐かしい。そんな80年代から今も続くブランドのカムリとは?
カムリだけど、カムリじゃない――。今年1月に、トヨタ自動車がアメリカのデトロイトモーターショー2017で初公開した新型カムリのことを、80年代のカムリを知る人たちは、そう思ったかもしれない。
「1980年に登場したセリカカムリはFR(後輪駆動)でしたが、セリカがはずれてからのカムリは、FF(前輪駆動)として代を重ね、2011年の現行から、日本仕様はハイブリッドのみとなっています」とは、トヨタマーケティングジャパンの大澤あつみ氏だ。
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そもそも高級スポーツセダンとして発売されたセリカ カムリは、当初はカローラの上位車種という位置づけの中型車だった。しかし、国内市場ではマークⅡ(のちにマークX)、クレスタ、チェイサーなどのメジャー車種に比べれば、地味な存在だったかもしれない。その一方でカムリはアメリカを中心に海外では大ヒット。トヨタの重要なブランドの一つとして、世界戦略車にまで上り詰めた。
とはいえ、カムリが国際的にメジャーなトヨタ車だということは、クルマ好きでもない限り、日本人は知らないだろう。そんな歴史を持つカムリが、今回ガラリとキャラクターを変えてきた。
「1月に北米の国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)で発表された新型カムリ(米国仕様)は、トヨタの新たなクルマづくり、「TNGA」(Toyota New Global Architecture)に基づいて開発されています。例えばパワートレーンは、TNGAによって構造や構成を全面的に作り直し、高い走行性能と環境性能を両立させた新型エンジン『ダイナミックフォースエンジン』を初搭載しました」
パワートレーン以外もプラットフォームなどをTNGAに基づいて刷新。低重心化に加えて、ボディとフロア剛性の強化、エンジンのマウント位置の見直し、リアへの新サスペンション採用なども行われた。
「米国仕様のハイブリッドモデルは、2.5リッター用のトヨタハイブリッドシステム(THSⅡ)を一新しました。小型・軽量・低損失化技術を高燃焼効率・高出力の新型エンジンと組み合わせることで、これまで以上に優れた動力性能・低燃費を実現しています」
ガソリンエンジンモデルもハイブリッドモデルも、クルマのパッケージ全体が見直された新型カムリ。あわせて見た目もスポーツセダンへと変貌を遂げている。
日本では2017年夏ごろの発予定しているため、現段階でわかっているのはガソリンエンジンモデル、ハイブリッドモデルともに米国仕様のカムリだ。日本仕様については、外観と室内の写真だけは公開されているが、詳細はまだわからない。
カムリという車名が「冠(かんむり)」 に由来するということは、ご存じだろう。当時のトヨタにはカローラ(花の冠)、クラウン(王冠)、コロナ(太陽の冠)など、アルファベットのCで始まり、冠を表す意味を持つブランドが多かったのは有名な話だ。
そんなカムリは、1988年から海外生産が始まり、本格的なグローバルセダンとしての歩みが始まる。
「カムリは、トヨタのグローバルミッドサイズセダンとして、100以上の国と地域で販売されています。累計販売台数は1800万台を超え、30年以上も世界で支持されてきました」
2017年夏ごろ日本でも発売される新型カムリとは?
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