お金

「今、買えそうな値段だから」という買い方がダメな理由

 クルマや腕時計が好きな斉藤由貴生です。私は、現代のおかしな消費を変えるために実践を重ねながら、いろいろ研究してきました。私は30代のいわゆるバブルを全く知らない世代です。所有欲の薄い世代とは言われますが、私の場合は、むしろ価値あるものは我慢せず所有したいと考えています。そんな私の価値観を、不定期ですがご披露したいと思います。

斉藤由貴生

第14回 多少無理してでも買う消費の喜びを取り戻そう

 もし、高級品を持たない理由を、金銭的な問題と言うならば、そこに待ったをかけたいと思います。これまでの私のお話ししてきたことを理解していただいているとするならば、「今、買えそうな値段だから、これを選ぶ」という、お金だけを見て買っている行為がいかに無駄かがわかるでしょう。  誰もが一度は、「欲しかった腕時計を貯金して買った」「バイトを頑張って、ようやくバイクが買えた!」などという欲しい物を手に入れて感動した経験はお持ちかと思います。私は、現代人にその消費感覚を取り戻すべきだと思うのです。毎日、なんとなく浪費をして、気づかないうちに数万円消えていくお金があるのなら、その数万円をちゃんと意識的に貯金に回して、本当にいいモノを買う、ということをしてみてはいかがでしょうか?

今あるお金だけを見て買うという消費を少し見直してみては?

 本当に価値のあるモノは時代に左右されないのも特徴です。買って数カ月で売りに出さなきゃ、価値が落ちてしまう、という生半可な価値のモノではありません。安い流行のモノは、それは来年にはほぼ0円になっていることでしょう。せっかく買ったのだから、楽しむだけ楽しめばいいのです。  もし、「それだけ苦労して買ったのだから、売りなんかに出したくない。一生持ちたい」と、売りに出すことを拒否する人もいるでしょうが、愛着が出たモノを無理やり売る必要はありません。結果的に、あなた自身がその価値を十分わかったうえで所持しているのなら、モノにとってもありがたいことです。  ただ、人の心は変わります。いざという時、「そういえば使わなくなってきたな」という時が来たら、完全にゴミになるのではなく、お宝に生まれ変わるとしたらお得じゃありませんか。そういうアイテムが手元に増えれば増えるほど、あなたの生活は豊かになるでしょう。目先の浪費に走るのではなく、いつか「売る」という先々のことまで考える消費力がこれから必要になるのです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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