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無声援試合でも応援はできる?“拍手のテク”を楽団奏者に聞く

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、声を出さずに観戦するよう多くのスポーツで求められている。そのため、観客は現在「拍手」だけで選手への思いを届けることになった。しかし、拍手に様々な感情をこめるのはなかなか難しい。そこで「拍手のプロ」に、伝わる拍手の仕方を聞くことにした。

拍手で感情って伝わるの?

日本フィルハーモニー交響楽団・福島喜裕氏

日本フィルハーモニー交響楽団・福島喜裕氏 (c)山口敦

 そもそも「拍手のプロ」なんて存在しないが、拍手は、手と手を打って音を鳴らす原初的な打楽器といえる。そこで話を聞いたのは、日本フィルハーモニー交響楽団の打楽器奏者である福島喜裕氏。  まず知りたいのは「そもそも拍手で感情は伝わるのか?」ということ。演奏会などで世界を飛び回り、あらゆる場所で拍手を受けてきた福島氏は次のように話す。 「もちろん伝わりますよ。感動の拍手はもちろんですが、逆もよく伝わります。小学校に演奏しにいく機会もあるんですが、整然とした綺麗な拍手なのに、とても残念な気持ちになったことがありました。それは、私たちが演奏を始める前にその学校の先生が『先生が手をあげたら大きく拍手して、手を下ろしたら止めるように』と教えてリハまでやってたんです(笑)」  学校としては、迎えるゲストに対するおもてなしの精神で良かれと思っての対応であることは間違いないが、これでは気持ちは伝わらない。歓声と同じように、拍手にも思いを込める必要があるのだ。  では、どんな拍手がいいのかを伝授してもらう前に、広い場所であることが多いスポーツの会場で拍手の音を選手まで届けるために「大きな音を遠くに」聞こえるようにする拍手の方法を聞いた。 「両手を合わせた状態から、一方の手を45度にひねりながら少し下にさげます。そして、手のひらを平たくしていたら大きな音は鳴らないので少しくぼませます。お寿司屋さんが寿司を握るような形ですね。そこで、手を打って破裂音を出すというイメージです」(福島氏)
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仮想・阪神戦…藤浪への思いを拍手で披露してもらう
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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日本フィルハーモニー交響楽団 ライブ配信
◆Member's TVU CHANNEL
https://members.tvuch.com/

【ライブ配信】(予定)
2020年8月23日(日)14:30
東京国際フォーラム ホールC
指揮:角田鋼亮
司会:江原陽子
ビゼー:歌劇《カルメン》より ほか
視聴券 1000円
アーカイブ視聴・購入期間: ~11月22日まで

2020年9月4日(金)19:00
サントリーホール
指揮:山田和樹[正指揮者] チェロ:横坂源 ピアノ:沼沢淑音
ルグラン:チェロ協奏曲
ラヴェル:《マ・メール・ロワ》 ほか
視聴券 1000円
アーカイブ視聴・購入期間: ~12月4日まで
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