職場のBBQで肉を焼き続けた“女性契約社員”が知った真実「虚しくなって、ボロボロ泣いてしまいました」
仲が良いと思っていた人間に裏切られるのは辛いことだが、それが集団ともなると、当然そのショックはさらに大きなものになる。井原真奈美さん(仮名・30歳)は職場で仲間外れにされた経験があるそうだ。
「前職で営業事務をしていたころの話です。私が働いていたのは某機械メーカーの地方にある支社で、営業メンバー5名をサポートするポジションでした。自分が前に出るより、人を支える方が合っていると思い始めた仕事でしたが、実際にやってみると性に合っていてやりがいも感じていました」
何よりもやりがいになったのが周りのメンバーの言葉だった。
「『見積もりを代わりに作ってもらって助かったよ』とか『井原さんのおかげで商談がうまくいったよ』と言ってもらえることがあって、それがうれしかったんです。私も期待に応えようと仕事は一生懸命にやっていました」
人間関係も良好で、仕事中に同僚たちの楽しそうな会話が聞こえてくることも多かったという。
「ある時に、営業メンバーがBBQに行く話をしているのが聞こえてきたんです。彼らはプライベートでもよく会っていたので、特に何も思わずに仕事をしていたんですが、女性のメンバーから『井原さんも一緒に行きませんか?』と誘われました。これまでも飲み会に誘われることはあったんですが、休日に誘われるのは初めてで、距離が縮まったような気がしてうれしく思いました」
BBQに参加するのは人生で初めてのことだった。勝手がわからないこともあり、準備に時間をかけた。
「どんな格好をすれば良いのかわからず、アウトドア系の服を新調したりもしました。食材は当日に買うとのことでしたが、他にもあったほうが良いのではないかと思い、自分で漬けた漬物や焼きおにぎりを用意して持っていくことにしました」
そうして当日を迎えることに。
「女性の同僚とふたりで調理を担当する予定でした。でも、その同僚は他のメンバーと話してばかりで、早々に席に座って飲み始めてしまったので、料理のほとんどを私が担当することになりました」
真夏だったこともあり、料理の担当は過酷だったという。
「席は日陰なんですが、焼き場は直射日光が当たるので本当に暑かったです。でも、みんなが『美味しい』といって食べてくれるのがうれしくて。お肉や野菜、焼きそばなどを焼いて、みんなの分の取り分けもしました。途中で追加のお酒を買いに行ったりもして忙しかったので、ようやく食べる時間ができた時には野菜や焼きおにぎりぐらいしか残っていませんでした」
同僚から「休日のBBQ」に誘われる
炎天下のなか、良かれと思って調理し続けた
込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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