更新日:2024年11月21日 17:31
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<漫画>「夫が突然殺された」女性漫画家が育った驚きの家庭環境「母の手料理を1度も食べたことがない」

 人気漫画家・森園みるく氏の人生を振り返るインタビューの前編では、精神科病院に入院歴のある男性に48箇所をメッタ刺しにされて絶命した配偶者・村崎百郎氏との思い出を語ってもらった。後編では、世にあまり知られることのない森園氏本人の生育歴などに迫る。
森園みるく氏

森園みるく氏

「私の家とずいぶん違うな」と思った

――当時、村崎さんの事件に衝撃を受けたのは当然ですが、実は村崎さんがご自身の活動を森園先生以外のご家族にも打ち明けていなかったことをあとから知って、驚きました。 森園みるく(以下、森園):そうなんですよね、自分が鬼畜系・電波系ライターの村崎百郎であることは、家族の誰にも話していなかったみたいです。唯一、可愛がっていた彼の姪には、言っていたようですけれど。村崎の家庭は非常にまっとうで、お父様が教員をされていてお母様もとても家庭的で素晴らしい方でした。私の父も教師でしたが、母が真逆のキャラクターだったせいか、私の家とずいぶん違うな、なんて思ったりして(笑)。 ――先生の育ったご家庭について、メディアでおっしゃっているのをあまり見かけないですよね。 森園:別に隠していないんですけどね。一部を切り取って漫画にしたこともありますし。簡単に言うと、母がとても派手な人で。地味に生きられないんですよね。私は山口県で育ったんですが、小さい頃に母はほとんど家にいませんでした。家事をしてくれるのは母の母、つまり祖母でした。小学校のとき、他の同級生の家には“家族団らん”があるらしいと知って、驚いたほどです。母は各地で書道教室を運営していて、仕事が終わったら色んなところで飲み歩いて、愛人らしき男が複数いる――そんな感じの人です。

母の手料理を1度も食べたことがない

――それはかなり衝撃です。奔放な方だったんですね。 森園:だから私、母の手料理を1度も食べたことがないんです。1度くらい食べてみたかったですよね。唯一、母が米を炊こうとしたことがありましたが、それも失敗していました(笑)。そのくらい、家庭的という言葉とかけ離れた人でした。すべて祖母がやってくれていたからだと思います。祖母が甘やかしたことも、一因だとは思いますが。 ――ご家族の苦労もかなりのものだったでしょうね。 森園:父は特に苦労したと思います。家のなかで2人がたまに顔を合わせても、かなり険悪でした。母が父を詰って、父は無言になるのが常でした。そうした心労からかわかりませんけれども、父は割合に早く亡くなってしまったんです。父の葬式の席で、父側の親族が「あんな女と一緒になったからこうなったんだ」と言っていたのが印象的です。また、その親族は子どもである私たちに向かって、こう言いました。「お前らの母親がこのあたりでなんて言われていたか、知っているか? 高級娼婦だぞ」って(笑)。高級なんだ、と思いましたね。話していて思い出したのですが、村崎も私の母のルックスは絶賛していました。「美人でいい女だな、あれならヤレる」って(笑)。
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「妹と顔が似ていない」真相を母に問い詰めたが…
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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