カブトムシブリーダーが選ぶ【ダンディな虫種 BEST5】
鉄道やロケット……少年時代、惹かれてやまなかった世界だ。そんな、「内なる少年」を刺激する話題を、その道の達人が厳選。さらにベスト5も選定してもらった。あの頃の胸の高鳴りが蘇る!
◆大人の男を満足させるデカさと色ツヤ、形状!【カブトムシ】
南米産など海外の巨大なカブトムシを輸入、飼育して繁殖させるマニアが増えている。’99年暮れに農林水産省が、今まで輸入禁止だったカブトムシ、クワガタ類の輸入を緩和したことにより、生きている大型甲虫類を買うことができるようになった。当初は気温が低い日本で生育することさえ難しく、数十万円で取引されることもあったが、マニアたちの不断の努力により飼育方法が確立、今では国内での繁殖により1頭数千円まで値段が下がっている。
「夜中に疲れて家に帰り、カブトムシ小屋に入って、手に乗せたヘラクレスオオカブトを月明かりで眺める。これこそ大人の男の隠れたダンディズムじゃないかと思うんです」とは、今夏にカブトムシ写真集を出版するカブトムシ飼育者の野澤亘伸氏。自宅に冷暖房完備のカブトムシ飼育専用小屋まで建て、日本で入手可能な種はほぼ網羅した筋金入りのマニアである彼が最も推すのは、ヘラクレスオオカブトムシだ。
「世界最大最強のカブトムシです。見事なフォルムの美しさが生物としての強さを体現しています」
ヘラクレスオオカブトムシに並ぶ大型種である、アクティオンゾウカブトムシも壮観。横幅があり、重戦車の異名を持つ重厚な存在感が魅力だ。次に、クワガタのユダイクスクワガタ。
「カブトムシのブリーダーはクワガタも扱います。これは私のお気に入りのクワガタで、自然の神秘に驚くほど奇妙な造形です」
また、インド北部からネパールに生息するウェストウッディオオシカクワガタは「地球外生命体のよう」だという。飼育する自信があれば、全種類オトナ買いして楽しむのもアリかもしれない。
<カブトムシブリーダーが選ぶダンディな虫種 BEST5>
1位「ヘラクレスオオカブトムシ」
角を含めて全長が最大約17cmにもなり、世界最大の体躯を誇る
2位「アクティオンゾウカブトムシ」
「全身がツヤ消しブラック、重厚で固いんです。すごい存在感です」
3位「ユダイクスクワガタ」
別名ヨーロッパミヤマクワガタ。個体減少により、希少価値がある
4位「ウェストウッディオオシカクワガタ」
「正面から見た時の形状は宇宙的で、地球の生物と思えない」
5位「国産カブトムシ」
投げる力が非常に強く、ヘラクレスオオカブトを投げ飛ばすことも
― 少年マインドを呼び覚ます[マニアックBEST5]【7】 ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ