ロケットはいつの時代も男のロマン。胸躍る宇宙開発トピック
鉄道やロケット……少年時代、惹かれてやまなかった世界だ。そんな、「内なる少年」を刺激する話題を、その道の達人が厳選。さらにベスト5も選定してもらった。あの頃の胸の高鳴りが蘇る!
◆いつかは宇宙旅行。男子の本懐を叶えるロケット実用化へ【ロケット】
ソ連が1958年に初めて人工衛星を打ち上げて以来、宇宙へのリーチは人類の夢であり希望である。宇宙開発分野の取材を始めて四半世紀。科学技術ジャーナリスト・松浦晋也氏に、昨今の気になるトピックスを聞いた。
「まずは、4月19日に打ち上げを成功させたファルコン9(スペースX社)。従来のロケットは使い捨てでしたが、今回はエンジンの噴射で姿勢を制御し、垂直に着陸する基礎実験に成功したのです」
⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=642688
つまり、無傷のまま回収して再利用を目論んでいるわけだ。この技術が確立されれば、打ち上げコストは大幅に削減される。
「日本では、’01年より運用しているHIIAの後継として、性能アップよりコスト削減を主眼に新型の開発を進めています。スペースX社の動向により、この計画は見直す必要があるかもしれない」
ただ、日本の宇宙開発は五里霧中というわけではない。4位に入ったホリエモンのロケットは、順調に実験が進んでいるという。
「政府が開発した巨大衛星ではなく、ベンチャー企業が造っているような機能を絞った超小型人工衛星の打ち上げ需要が近年増えています。ホリエモンのロケットが100km以上の宇宙へ到達できるようになれば、彼らとのビジネスが広がっていくはずです」
それ以上に男心をくすぐるのは、2位のスペースシップツーだ。
「母機で高度15kmまで運ばれ、切り離された後はロケットエンジンで加速して高度110kmまで到達します。約4分間の無重力状態と、青くて丸い地球の姿を眺められる、このサービスの値段は25万ドル。機体はもう完成し、試験飛行が終わる’14年内には、1号機が飛ぶ予定です」
そして最後は、3位に入ったアトラス5。クリミア問題で対立しているアメリカとロシアを、宇宙の事情が取り持つかもしれない。
「アメリカの人工衛星を毎年8基ほど打ち上げていますが、エンジンはロシア製。国際宇宙ステーションと地球間の人員輸送も、アメリカはロシアに完全依存の状況。両国にとって、いまや宇宙は唯一の窓口。これを事態の打開にどう活かすのか、注目です」
<科学ジャーナリストが選ぶ 注目すべき宇宙開発&ロケット発射 BEST5>
1位「ファルコン9ロケット」
アメリカのスペースX社が開発。国際宇宙ステーションへの補給も
2位「スペースシップツー」
イギリスの宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティック社が試験中
3位「アトラス5」
ロシア製エンジンを積むアメリカのロケット。米ロ対立の余波は?
4位「ホリエモンのロケット」
堀江貴文氏が推進する国産ロケット。成功すればビジネス需要は大
5位「HIIAロケット」
5月24日に、種子島宇宙センターから打ち上げ。見学の貴重な機会
― 少年マインドを呼び覚ます[マニアックBEST5]【5】 ―
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