広島カープ“25年ぶりV”の背景にあった若手の躍動――セ・リーグ6球団の平均年齢を徹底調査
「カープ女子」が新語・流行語大賞に選出された2014年、かつてチームメイトだった黒田博樹と新井貴浩が古巣の広島復帰をはたし、歓迎ムードでにぎわった2015年。そして今年9月10日、広島東洋カープは25年ぶりにリーグ制覇を成し遂げた。
7度目のリーグ優勝をはたした10日の巨人戦(東京ドーム)を生中継したNHK「プロ野球 巨人―広島」の広島での平均視聴率は60.3%(ビデオリサーチ調べ)を記録。これは、1986年のリーグ優勝を決めた10月12日ヤクルト―広島戦の63.5%に次ぐ歴代2位の記録だ。瞬間最高視聴率は71.0%で、緒方監督と黒田、新井が胴上げされる場面と緒方監督の優勝インタビューの場面だった。“男気”と称された黒田は、史上最年長で優勝決定試合の勝利投手になった。
生中継を観ていて、ふと気づいたことはないだろうか? そう、広島カープのスタメン選手は若いのだ。1番・田中広輔、2番・菊池涼介、3番・丸佳浩の「タナ・キク・マル」は平成生まれ(1989・90年)の同学年トリオ。そして、2打席連続本塁打でVに貢献した5番の“神ってる”鈴木誠也は22歳のスタメン最年少。さらに150キロ超の剛球を投げ込む守護神・中﨑翔太も24歳というから驚きだ。
それだけでなく、打線の1番から9番まで全員がチームで育った生え抜き選手であり、地元ファンが熱狂するのもうなずける。その一方で、アラフォー世代の黒田博樹(41歳)、新井貴浩(39歳)、石原慶幸(37歳)らがチームの中心で精神的支柱となっているのだから、今年のカープの優勝には誰もが納得するだろう。
今シーズンの広島カープが若手とベテランのバランスのとれたチームだったことは間違いない。それでは、セ・リーグ全体に目を向けるとどうだろうか?
まずは、今年3月23日に日本野球機構(NPB)が公示した今季開幕戦でベンチ入りが可能な出場選手登録名簿をもとに、チームごとの一軍登録選手の平均年齢を調べることにした。結果は以下の通りで、広島カープは4位となった。
1位:横浜DeNAベイスターズ……28.08歳(昨年6位→3位)
2位:中日ドラゴンズ……28.96歳(昨年5位→6位)
3位:読売ジャイアンツ……29.19歳(昨年2位→2位)
4位:広島東洋カープ……29.36歳(昨年4位→1位)
5位:東京ヤクルトスワローズ……29.94歳(昨年1位→4位)
6位:阪神タイガース……30.44歳(昨年3位→5位)
※セ・リーグ順位は、2016年9月12日(月)現在
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