「ばかうけ」を配る女は、女子職場を制する!?
看護師や歯科衛生士、アパレル店員やキャバクラ嬢……。女性だらけの職場で働く彼女らにとって、休憩時間やランチタイムでいかにうまく溶け込むかは、時に実務以上に頭を悩ませる課題でもある。会話のとっかかりとして欠かせないのが「お菓子のお裾分け」だ。
筆者もこれまでアパレルやクラブなどで働いた経験があるが、あらゆる猛者たちからお菓子をもらって以来、女だらけの職場において、お裾分けを制する者こそが人気者になれる近道だと心得るようになった。女性同士の職場で働く彼女たちの証言をもとに、人気者が配るお菓子を紹介しよう。
◆「プチシリーズ」(25歳・看護)
「『プチ海老あげ』や『プチチョコチップ』など、数種類を揃えて毎回一人一人に好みを聞いてくれる人がいる。必然的に一人一人とのやりとりが増えるし、お菓子をもらった女子同士から『その味どう?』なんて会話が生まれるから、場が彼女中心の空気になる。特に入ったばかりでなじめていない子は、会話のとっかかりをもらえたと感じるので、なつくんですよね」
ブルボンから発売されているプチシリーズは、一口サイズのせんべいやクッキーが入っている。全24種類のなかから、お裾分け用に毎回2~3種類揃えるのはコストがかかるが、ケチらないのが人気者への道なのだ。
◆「ドライフルーツ」(22歳・キャバクラ)
「チョコやポテチはカロリーが気になって、勧められても『今ダイエット中だから』と断る人も多い。むしろあまりにもハイカロリーなものばかり食べている子は『いいよね太らなくて』なんてチクッと言われてしまうことも。そんななかでドライフルーツを食べたり、勧めたりする子は、ダイエットに励む女子からの共感を得やすいんですよね」
栄養価が高いドライフルーツは、たびたび女性誌のダイエット特集などでも多く取り上げられている。化粧品売り場やアパレルなど、美容への高い意識をもとめられる職場では特に威力を発揮しそうだ。
◆「ばかうけ」(29歳・クラブ)
「20代女子ばかりのなか、誰からも慕われている40代の人気者お姉さんがいる。みんなで話していると、唐突にバッグから『ばかうけ』を取り出して、配ってくれるんですよ。新作のお菓子で交流を図る子が多いなか、誰でも知っているお茶菓子を出してくる人って、『ほっこりしたいい人』なんだなって感じさせるところがあるんですよね」
まるで実家に帰ったかのような、ほっとした気持ちにさせる「ばかうけ」。この女性は、このほかにも「歌舞伎揚げ」を配っているらしい。水商売などの競争の激しい職場では、ほっこり系お菓子によって自分のイメージを「みんながほっとできる場所」に落とし込むのがコツのようだ。
これまで中高や大学、職場で女性同士がお菓子を配り合っている現場を見たことがある人もいるだろう。はたから見れば微笑ましい光景かもしれないが、水面下では「ここでうまくやっていきたい」という女の生存戦略がはりめぐらされているのだ。ちなみに筆者のバッグにはいつも「スニッカーズ」が1本入っている。もちろん自分用だ。これまで女だらけの環境で働いてみて、一匹狼感を漂わせていた事実は否めない。 <取材・文/小野田弥恵>
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