左でも右でもなく経済成長を目的としない政党、緑の党とは?

2012年にダカール(セネガル)で開かれたグローバル・グリーンズ大会には、90か国から約800人が集まった

 今回の参院選挙で初めて「緑の党グリーンズジャパン」という政党が10人の立候補者を登録。今年からネットでの選挙活動が解禁となったが、同党の候補者である三宅洋平氏がtwitterの「つぶやかれ」数ダントツである山本太郎氏(無所属)と1位を争うなど、特にネット上で話題になっている。ほかにも福島第一原発事故被災者や自死遺族NPOの代表者などの候補者を主に擁立しており、既成政党とは一風変わった雰囲気を醸し出している。一体どんな政党なのだろうか?

「緑の党」の源流となる、中村敦夫氏が設立した「みどりの会議」以来の中心メンバーで、7月に『緑の思想』(幻冬舎ルネッサンス)を上梓した足立力也氏はこう語る。

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 脱原発、TPP反対、消費税増税反対など、政策的には「緑の党=左派」と見られがちですが、「左派」でも「右派」でもありません。それは、経済政策に関する主張を見るとよくわかります。

「右派」と呼ばれるグループは、経済全体のパイ(例えばGDP)を増やすことが一番大事だと主張します。「左派」は、労働者への富の分配が一番大事だと主張します。

 実は、どちらも経済全体のパイを増やすことと、労働者の富も増やすことの両方を主張しているのには変わりありません。違うのは、経済全体と労働者のどちらを優先すべきかという順番だけ。

「緑の党」がこれら既成政党と違うのは、GDPで測られる経済成長そのものに疑問符を投げかけている点です。地球資源によって制約を受けている以上、経済成長も無限ではありえません。これはすでに1972年、ローマクラブの「成長の限界」という報告で明らかにされています。この年に世界初の「緑の党」が誕生しました。

 無限の経済成長を否定するところから「緑の思想」は始まります。国際的な資源の枯渇や国境を越えた環境汚染、世界的気候変動などに見られるように、すでに地球は限界に来ています。ですから、経済そのものをスローダウンさせなければなりません。これが、「緑の党」が右派でも左派でもなく、「前へ」進むための新しい思想潮流と言われるゆえんです。

 EU議会における「緑の党」の会派は58議席で4番目の大きさを誇り、ドイツやフィンランド、チェコなどでは連立政権にも参加しました。ドイツ「緑の党」は、脱原発と再生可能エネルギーの普及への道筋をつけました。フランスでは現職の閣僚が2人いて、電力供給における原発依存率を現在の8割から5割まで下げることを政権に確約させました。ほかにも、オーストラリアでは10人の国会議員がキャスティング・ボートを握り、炭素税を導入させました。ラテンアメリカでも、コロンビアやブラジルの大統領選挙で大接戦を演じています。現在、世界的な「緑の党」のネットワークである「グローバル・グリーンズ」には、90の国と地域の緑の党が加盟しています。世界中で今、「緑の流れ」が加速しているのです。

 ですが、アジア地域では現職の国会議員がおらず、世界の中では出遅れています。そのため「グローバル・グリーンズ」は今月11日に声明を発表し、グローバルな緑の潮流を更に加速させるため、日本の参院選において「緑の党グリーンズジャパンを応援する」ことが確認されました。今、日本の「緑の党」は世界からも注目を浴びているのです。

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【足立力也】
コスタリカ研究家、フリーライター。平和教育に関する講演・執筆、コスタリカツアーガイドや翻訳・通訳なども行っている。著書に『平和ってなんだろう』(岩波ジュニア新書)『丸腰国家』(扶桑社新書)など

取材・文/北村土龍

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