日本の一人当たりGDPはイタリアと同程度まで落ちた【藤沢数希氏】
’13年の日経平均は56.7%と41年ぶりの高い上昇率となった。一方、円は対ドルで34年ぶりの下落率となったため円資産は目減りし、世界の中で見ると日本人は貧乏になったという
◆アベノミクスで日本人は世界の中で貧乏に。1人当たりのGDPはイタリアといい勝負【後編】(人気ブログ「金融日記」管理人 藤沢数希氏)
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◆円安が進んだ結果、イタリアと同程度に
IMFのデータによれば、’12年の日本の1人当たり名目GDPは約4万7000ドルで、世界で10位。各国の経済データが出揃うのは1年以上かかるので、’13年のGDPを国際比較する公式なデータはまだないのだが、為替の変動から簡単に推計することはできる。1ドル=105円、1ユーロ=143円として、’12年のGDPから、筆者が’13年の1人当たりGDPを概算してみた。
日本の1人当たりGDPは、’13年に大幅な円安が進んだ結果、3万6000ドル程度まで低下する。世界の先進国の中では22位である。これはイタリアの3万5000ドルとさほど変わらない。毎日、満員電車で通勤し、長時間労働に耐えている日本人だが、仕事をさぼって遊んでばかりのイタリア人と同程度の所得水準になってしまった。日本人の所得は世界の先進国の中では最下層であり、もはや日本は経済大国でもなければ、豊かな国でもないのかもしれない。
【今週の数字】
’13年の日本の1人当たりGDP予測
3万6000ドル
’13年の日本の1 人当たりGDPは筆者の推計では約3万6000ドル。大幅に円安が進んだ結果、世界の中で見ると、日本人は民主党政権のときよりはるかに貧乏になった
【藤沢数希氏】
欧米の研究機関にて博士号を取得。その後、外資系投資銀行に転身。ブログ「金融日記」は月間100万PV、ツイッターのフォロワーは8万人を超える。最新刊『外資系金融の終わり』が発売中
物理学研究者、投資銀行クオンツ・トレーダー職等を経て、作家・投資家。香港在住。著書に『外資系金融の終わり』『僕は愛を証明しようと思う』『コスパで考える学歴攻略法』などがある
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