注意!「格安SIM」を挿しても動かないスマホがある
広く注目を集める「格安SIM」だが、実は使いづらい面も多々ある。安さにつられて安易に手を出すと後悔することも……
◆ガラケーからの乗り換えを検討中の初心者はご用心!
今や、大してスマホに詳しくない人にも認知されるようになった「格安SIM」。MVNOと呼ばれる通信事業者が、大手キャリアの回線を間借りして割安な通信サービスを提供するもので、MVNOが発行するSIMカードを、いわゆる「SIMフリースマホ」に挿すことで利用できる。
総務省によりSIMロックの解除が義務づけられたことで、ドコモ、au、ソフトバンクの各キャリアから今年の5月以降に発売されるスマホはすべてSIMフリーになる見通し。また、ASUSの「Zenfone」や「VAIOスマホ」など、PCメーカーが手がけるSIMフリースマホも続々登場。格安SIMへの注目度もますます高まるだろう。
一方で、昨年から格安SIMに関するトラブルが増えつつある――と警告するのは、モバイル評論家の法林岳之氏。
「MVNOの料金の安さに注目する人の中には、これからフィーチャーフォン(ガラケー)からスマホに乗り換えようという“初心者”も多いはず。ですが、格安SIMという響きからイメージされるほど気軽に手を出せるものでは、実はないのです」
以下、具体的な例を見ていこう。
◆注意!格安SIMを挿しても動かないスマホがある
「MVNOとスマホの組み合わせによっては、ネットワークに接続できないことがあります。MVNOが使用している周波数帯と、スマホ側が対応している周波数帯が必ずしも一致するとは限らない。いわゆるドコモのFOMAプラスエリアと呼ばれる800MHz帯は、海外の端末では対応しないことが多いですね。また、周波数帯が一致した場合でも、事業者が接続をサポートしていないケースはままあります」(法林氏。以下同)
なかでも昨年、大問題になったのが、ケイ・オプティコムの「マイネオ」のケース。
「マイネオはauの回線を借りているのですが、iPhone6及び6プラス、もしくはiOS8を入れたiPhone5――これらのすべてが動かず、最終的にギブアップ宣言を出しました。ユーザーとしては、回線はauだし、iPhoneはauからも出ているわけで、当然動くと思いますよね」
この原因を追及すると「アップルがクローズドな環境でしか接続のためのプロファイルを提供していない」ことに行き着くという。
「アップルとしては、直接契約をした事業者にしか情報を提供しない。であればauがマイネオに情報を開示すればいいのではないかと思うんですが、それは秘密保持契約があるので無理なんですよ」
MVNO各社では動作確認情報を一応出してもいるが、カバーできているのは一部の端末にすぎず、あまり参考にならないというのが現状だとか……。
― 「格安SIM」に手を出す前に知っておきたい事実【1】 ―
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