「ハゲのための本」。書店では売れず、電子化で大ヒット

 紙書籍で発売当初は売れなかったが、電子化になりヒットした『ぼくらはみんなハゲている』(太田出版)。

『ぼくらはみんなハゲている』

現代日本最大のタブー「ハゲ問題」を、自らもハゲゆく著者が追う新世代ルポルタージュ

「フジテレビ深夜の同名ドキュメンタリー番組がすごく真摯な内容で面白く、『これは本になる!』とすぐに番組ディレクターだった著者の藤田慎一氏に打診しました。藤田氏ご自身もハゲという立場を隠さず、他のハゲの人たちや大手カツラメーカーに突撃取材するスタイルで、ハゲの当事者にしかわからないリアリティの奥底まで捉える新鮮な本になると確信しました」(担当編集・村上清氏)

「日本人男性の4人に1人が薄毛に悩んでいる」というデータから身近な問題としてヒットを期待したが、売り上げは初版の5500部止まり。だが、電子化で化けた。

「書店のレジに『ハゲ』と書かれた本を持っていきにくかった人でも、電子書籍なら買いやすかったのかもしれません。紙より割安な価格設定もあったと思います。でも、いちばん大きかったのは、販売担当者がたまたまハゲへの偏愛が強い女性だったことかもしれません。意地でも売ろうと告知や電子書店へのプッシュに力を注ぎ、『ぼくハゲ』という略称も作って、6年前の本をまるで新刊のように見せてくれた。ここは紙でも電子でも変わらない、出版の原点のように思います」

取材・文/田幸和歌子 古澤誠一郎 鼠入昌史(Office Ti+) 廣野順子 上野 智 安田はつね(本誌)
― [あの大ヒット商品]は既に日本で作られていた! ―

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