[上から目線野郎]にならない方法
◆上から目線を招きやすい人には共通点があるんです
「今、上から目線な人は、確かに多い。それは社会環境の変化により、自我の生育が不十分な人が増えたからだと思います」
マナー・話し方インストラクターであり、心理カウンセラーでもある下平久美子氏は語る。
「自我の働きには、簡単に言うと3つのパートがあります。まず生まれながらに持つ本音・本能的なパート。大人から真似・教えらえた建前的なパート。そして自らの経験から獲得した、情報を取捨選択し、筋道を立てて考え対応するパートです」
大人度ともいえる3つ目のパートは本音・本能パートと建前パートを、使い分ける働きもするという。しかし今、このコントローラー的なパートの未熟な人が、増えているのだそう。
「制御するパート不足で本音・本能、もしくは建前が過剰になってしまうんです。前者はわがままや人の言いなりになる子供っぽさが特徴で、相手の上から目線を招きやすい。後者は権威的な上から目線になりやすい」
“不当な上から目線”は、親と子の関係性から抜け出せず、大人になりきれない未熟な自我同士の出会いで始まるのだ。
◆上から目線を招かない今すぐできる対策は?
上から目線を招かない・しないためには、自我を健全に育てることが一番。しかしそんな悠長なことを言っていられない人には、すぐに効果が出る対応策がお勧めだ。
「人の心は、見た目に表れます。上から目線を招く人は、猫背で肩を落としていることが多いので、まず背筋を伸ばしましょう。また伏し目がちにならないよう注意し、アイコンタクトを大切に落ちついて会話をしてください」
オドオドしたり、力のない微笑みを浮かべたり、ボソボソと低い聞き取りにくい声でしゃべるのも、上から目線を誘発します。
「楽しいことを考えながら笑顔をつくり、声もはっきり出しましょう。あなたの行動変容で、次第に周囲が変わっていきますよ。例えば高級レストランのウェイターに、横柄な態度をとられても、目を見て笑顔で『注文が決まったら、呼びますね』とキッパリ言えば、相手の出方も変わります」
逆に自分が上から目線になっていると思う人は、下のチェックリストを見てみよう。当てはまるものを改善すれば、スムーズな人間関係が、生み出せるはずだ。
― 脱【上から目線野郎】改善項目 ―
・背筋がのけぞり、片足立ちになっていないか
・人を指さしたり、物を向けたりしていないか
・ペンなどで机をコツコツ叩いていないか
・声を荒らげたり、説教口調になっていないか
・過度な労わりや励ましを示していないか
【下平久美子氏】
リファイン代表取締役。著書に『1日1分、30日で人生が変わる「話し方」「聴き方」の法則』(ダイヤモンド社)など
― [上から目線野郎]を撃退する処方箋【12】 ―
『1日1分、30日で人生が変わる「話し方」「聴き方」の法則』 誰でもコミュニケーション力がアップ |
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