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モンスター社員の弱点

 尊大な部下に、必要以上に権力を振りかざす上司。ここ数年、“上から目線”を標準装備したモンスター社員の取り扱いに頭を抱える声が後を絶たない。ただ、上から目線のモンスター社員には、共通して脆いところがあると心理学博士・榎本博明氏は指摘する。

最初から実力や経験に見合わない高レベルな仕事をしたいという部下や、理不尽に押さえつけてくる上司はどちらも自分に自信がないことが多い。部下の場合、自分の未熟さを自覚していれば、何か注意されても自分のパワーアップの糧になると喜べるはず。自信がないのにそれを認めたくないから、つい尊大な態度をとってしまう。逆に、上司の場合も上の立場にいるけど、自分の能力に自信がない。だから虚勢をはって上から目線になるわけです」

 さらに、榎本氏はドキリとすることを付け加えた。

「皆さん、周りの上から目線な困った社員に腹を立てているわけですが、腹を立てる側にも問題があると考えるのも大事なことです。腹が立つ、ということは、自分にも余裕がない証拠。ゆったりとした気持ちでいれば、『あの人は自信がなくて不安だから、上から目線で偉そうにすることで自分を保ってるんだな』と受け流せる。広い心で見ていれば、偉ぶっている人たちが滑稽にすら思えてきます。こちらの心構え次第で、受け取り方はいくらでも変わるものです」

 耳の痛い話だが、職場の半径3m以内で偉ぶる輩には、つい腹を立ててしまうのが人間というもの。一朝一夕でそんな仙人のような心持ちになれれば苦労はしない。そこで次回は、“モンスター”たちとうまく付き合うための実践的な方法論を専門家に伺ってみることにする。

【榎本博明氏】
心理学博士。MP人間科学研究所代表。『ビジネス教養としての心理学入門』(日本経済新聞出版社)ほか著書多数

取材・文/朝井麻由美
― [上から目線野郎]を撃退する処方箋【3】 ―

「上から目線」の構造

なぜ「上から」なのか。なぜ「上から」が気になるのか。




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