お金

健太と死神の居酒屋劇場――連続投資小説「おかねのかみさま」

みなさまこんにゃちは大川です。 連続投資小説『おかねのかみさま』22回めです。 ※⇒前回「ヒントはここまで」 〈登場人物紹介〉 健太(健) 平凡な大学生。神様に師事しながら世界の仕組みを学んでいる 神様(神) お金の世界の法則と矛盾に精通。B級グルメへの造詣も深い 死神(死) 浮き沈みの激しくなった人間のそばに現れる。謙虚かつ無邪気 美琴(美) 普通の幸せに憧れるAラン女子大生。死神の出現に不安を募らせる 〈第22回 グラグラと揺れながら〉 「実はいま、死神さんが新たなルームメイトを見つけまして、昨日から一緒に過ごしてるんです」 「!!…でも…そんなの…俺にはなにも関係のないはなしですから…」 「その女性はいま、彼ピッピが欲しいと言ってます」 「!!!?」 「そして巨乳です」 「…きょ」 「ヒントはここまで」 「え!」 「けんたくんの言うとおり、君の未来にはなにもない平和な日々が続くかもしれませんが、世の中はいつも変わり続けています。シニガミさんと歩いている巨乳女子を見かけたら、ダメ元で当たって、別の人生に踏み出してみるのもいいでしょう」 「でも!彼女は俺のこと別に知らないんだし!俺にもタイプってものが!」 「このタタミイワシ」 「!!!!」 「いいですかけんたくん。あなたの寿命がどれくらい残っているかは私も知りません。だけど君の時間にも、いつか終わりが来ることは確かです。そしてあなたの人生のひろがりを決めるのは、いままでに出会った人々ではなくて、これから巡りあうひとです。失敗がなんですか。失うものなどなにもニャイ。勇気がないなら試行回数だけでも増やしなさい」 「失うものなど…」 「ニャイ」 「にゃい…」 「そうです。では私はこれで」 「あ、待ってください!かみさま!」 「ガチャリンコ」 「かみさま…」 ヴィーン 「イラッシャマセー!」 「イラッシャイマシタ」 「あ」 ※     ※     ※ 「ア」 「い、いらっしゃいませ」 「イ、イラッシャイマシタ」 「なんめいさま…でしょう…?」 「オヒトリサマ」 「え」 「オヒトリサマ」 「お煙草は」 「スイマセン」 「では、こちらのお席へどうぞ…」 「…」 「(しにがみさん!店長に見つかったら怒られちゃうよ。何も言わずにお店やめちゃってから突然お客さんで来てもだめじゃん!)」 「ソレモソウネ」 「(ソレモソウネじゃないよ!厨房から見えない場所に案内するから変なことしちゃだめだよ!)」 「ハイハイ」 「こちらです!こちらメニューになっております!ただいま季節限定、牡蠣のウエスタンラリアットがオススメです!」 「ウム」 「お飲み物いかがいたしましょう!」 「ウーン、リョクチャハイ」 「リョクチャハイですね。ただいまご準備してまいります」 「ヘーイ」 「……」 トトトトトトトトトト 「緑茶ハイお待たせしました!」 「ウェーイ!」 「それでは!今からわたしが乾杯のおんどをとr」 「グビグビグビグビグビグビグビグビグビグビ」 「あ」 「オカワリ」 「緑茶ハイおかわり!かしこまりました!」 「…」 トトトトトトトトトトトトトトト 「どうぞ緑茶ハイです!」 「アリガト♡」 「お食事のほうお決まりでしょうか!」 「ン-」 「…」 「オカネノカミサマカラ」 「…はい」 「オテガミヲ」 「…」 「アズカッテイマス」 「…」 健太 くんへ 君がこの手紙を読んでいるということは、死神さんはいまオフタイムを満喫しています。 きみの頭のなかにはいつもどおりコモノ感のある悩み事がギッチギチに詰まっていて、 できるだけ早く楽になりたくて、 答えを知ってそうな死神さんに頼りたくなっていることでしょう。 でもね、自分のことしか考えてない若者は、神サイドから見て正直ウザいんです。 自分のことばっかり思い悩む前に、ささやかな安らぎを味わっている死神さんに 「いまぼくができることはなんだろう」と考えてみてください。 まずは目の前の人が何を欲しがっているか、聞いてみましょう。 しっかりと、自分にできることはないか、 丁寧に、思慮深く聞いてみてください。 それでは、良い一日を。 OKANENO KAMISAMA 「………」 「………」 「あの………」 「ハイ」 「ご注文は…なにが…よろしいでしょう…」 「ス…」 「す…」 「スナギモ」 「すなぎも…」 「ハイ……」 「タレと……タレと塩が…ございます…」 「シオデ…」 「塩ですね…」 「ハイ…」 「ほかにご注文は…」 「カンガエトク」 「かしこまりました…」 「アリガト」 次号へつづく 【大川弘一(おおかわ・こういち)】 1970年、埼玉県生まれ。経営コンサルタント、ポーカープレイヤー。慶応義塾大学商学部中退。大学を中退後、酒販コンサルチェーンKLCに在籍し、95年に独立。97年に株式会社まぐまぐを設立後、無料メルマガと有料メルマガの配信事業を行う。99年に設立した子会社は設立から364日の日本最短記録でナスダックジャパンに上場したが、その際手にした資産も日本最短記録で見失う。 「みんなの投資資料室」http://synapse.am/contents/monthly/daiokawa 資金量300万円で、これから投資をしようとする人向けに、大川氏が毎日ウォッチしている株の「どこを見て、どれぐらい調査して、どう判断しているか」独自の情報収集術とその学習方法を会員限定で公開している。 「経営者のためのPoker入門」 http://www.business-plus.net/business/1410/723708.shtml 〈イラスト/松原ひろみ〉 20_nikkan
逆境エブリデイ

総移動距離96,000キロメートル! 大川弘一がフルスピードで駆け抜けた400日間全記録

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