“ミスターNWA”レイスの心変わり――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第63回
このときすでに43歳だったレイスは、現役生活の最後のチャプターとしてWWEのリングを選択した。ビンス・マクマホンがレイスのために用意したキャラクターは“キング・オブ・ザ・リング”という称号で、リング・コスチュームは王冠にロイヤル・パープルのケープという王様の衣装だった。
レイスは“キング・オブ・ザ・リング・トーナメント”第1回大会に優勝し、新しいトレードマークとなる王冠を手に入れた(1986年7月14日=マサチューセッツ州フォックスボロ)。この“キング・オブ・ザ・リング・トーナメント”はPPVイベント、WWEネットワークのコンテンツとして現在もつづいている。
WWEのリングでは元NWA世界ヘビー級王者としてのプロフィルは“抹消”されたが、ビンスはレイスのキャリアと実績に最大限の敬意を表し、チャンピオンベルトに代わるサムシングとして“キング”という特別なポジションを与えた。
レイスはWWEデビューと同時に栗色だった髪をブロンドに染め、ニューヨーク仕様のヒール・キャラクターに変身した。ビジュアル的には若手時代の“ハンサム”ハーリー・レイスに逆戻りしたような感じだった。WWEスーパースターズはリスペクトの気持ちをこめて超大物のレイスを“キング”の愛称で呼び、レイス自身も世代のちがうボーイスといっしょに過ごす年間300試合のツアー生活をエンジョイした。
キャリア27年めにして初めての“レッスルマニア体験”となった“レッスルマニア3”(1987年3月29日)では、レイスはジャンクヤード・ドッグと対戦。独特のモーションから放つベリー・トゥ・ベリー・スープレックスでフォール勝ちを収めた――。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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