ホーガンがまさかのヒール転向 nWo出現――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第230回(1996年編)
レフェリーがゴングを要請し、ノーコンテンスト裁定で試合は終了。ジーン・オーカランド・アナウンサーがリングに上がりホーガンにコメントを求めると、ホーガンは「ゴミだよ、ゴミ。お前ら(観客)はこのリングにころがってるゴミと同じなんだ」と発言したあと「これがニュー・ワールド・オーダー(新世界秩序)だ!」と新派閥の結成を発表した。
この衝撃的なワンシーンこそ1990年代後半からミレニアムにかけてアメリカと日本(新日本プロレス)のレスリング・シーンに巨大なムーブメントを同時発信したnWo誕生の瞬間だった。ホーガンのまさかのヒール転向宣言は“20世紀最大の裏切り行為”として全米を震撼させた。
ホーガンとナッシュ&ホールの緊急合体とnWo結成で“月曜TVウォーズ”の主導権はどうやら完全にWCWに移った。WWEの“マンデーナイト・ロウ”とWCWの“マンデー・ナイトロ”の番組視聴率は1996年6月10日放映分から1998年4月13日放映分までじつに83週間連続で“ナイトロ”が“ロウ”をリード。WWEが初めて体験した敗北だった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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