ビンス・マクマホン発案のAOWってなに?――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第232回(1996年編)
まったく新しい登場人物たちがいきなり“マンデーナイト・ロウ”の画面に現れたいちばんの要因は、やはりWCWからの引き抜きの魔の手だった。“兄貴分”のディーゼル(ケビン・ナッシュ)とレーザー・ラモン(スコット・ホール)を追ってのWWE退団は時間の問題とみられていた123キッド(ショーン・ウォルトマン)は9月15日付でWCWと契約。翌9月16日オンエア分の“マンデー・ナイトロ”に“乱入”した。
ジェフ・ジャレット、“ミリオンダラー・マン”テッド・デビアスもWWEとの契約を途中解除し、9月の新シーズンからWCWに移籍。翌10月には数カ月まえまでWWEコミッショナーだったロディ・パイパーまでWCWに電撃移籍した。WCWサイドは、契約書の“穴”を発見するプロといわれるエンターテインメント弁護士のグループを“引き抜き屋”として雇っていた。
月曜TVウォーズの視聴率争いでも契約選手の引き抜き問題でも劣勢に立たされたWWEは、報復手段として“二代目”ディーゼル&R・ラモンをプロデュースした。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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斎藤文彦
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