9.11米同時多発テロから16年…事件は風化してしまったのか?【NY現地リポート】
2001年9月11日に3千人以上の犠牲者を出した米同時多発テロ(以下9.11)。あの惨劇から16年の月日が経った2017年9月11日。事件の現場となり、犠牲者の家族を中心に追悼セレモニーが行われているグラウンド・ゼロを訪れた。
あの日、世界の中心とも呼ばれていた貿易センタービルがいとも簡単に崩れ落ちる姿は、どこか映画のような非現実な光景に見えた。あれから16年……事件は風化してしまったのか。街の人々の様子はどうなのだろうか。この目で確かめたかったのである。
今回は、その後の世界の混乱の大きなきっかけとなった9.11の追悼の現場と周辺の様子を現地ニューヨークからリポートする。
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9月11日、ニューヨーク時間の朝8時46分。号令のかけ声と共に付近に緊張した空気が張りつめ、正装した消防士たちが一斉に敬礼し、犠牲者に黙祷を捧げた。
黙祷は航空機が衝突した時間の2回、ビルが倒壊した時間の2回の計4回行われた。なお9.11では、救助にあたった343人の消防士が死亡したことから、多くの消防士が追悼に集まっていた。
倒壊した世界貿易センター跡地(グラウンド・ゼロ)には犠牲者の家族など限られた人しか入ることが許されず、一般人は遠くから黙祷を捧げた。グラウンド・ゼロのすぐ隣には倒壊したビルと同じ名前がつけられた“ワン・ワールドトレードセンター”という世界で6番目に高いビル(541m)がそびえたつ。「テロに屈しない」というアメリカの威信を見せつけるかのようだ。
普段のグラウンド・ゼロ。水の流れ落ちる中心の穴は底が見えず、吸い込まれそうな不安な気持ちを覚える。穴は巨大で、崩壊したビルの不在を強調していた。
また、グラウンド・ゼロの周りには犠牲者の名前が全員分彫られており、犠牲者の知り合い達が花を供えたり、手で名前をなぞったりしていた。
グラウンド・ゼロにほど近いトリニティ教会では追悼ミサが行われていた。祈りが捧げられると、人々の表情は悲しみに満ちていた。
テロを警戒し、グラウンド・ゼロの周囲は厳重に警備されている。犠牲者の家族以外は容易に近づくことはできない。
とはいえ、警備にあたる警察は武装こそしているが、事件から16年という長い月日が流れたせいか、緊張感はあまりなくリラックスした雰囲気も感じられた。
9.11の現場となった周辺の様子とは【NY現地リポート】
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