9.11米同時多発テロから16年…事件は風化してしまったのか?【NY現地リポート】
犠牲となった消防士を追悼した記念碑。2機目の航空機が突入した瞬間を描いており、追悼に訪れた人の多くが食い入る様に見つめていた。
事件後に新しく建てられたショッピングモール「オキュラス」。毎年9.11を迎えると天窓が開き、天井からワンワールドトレードセンターを見ることができる。
路上には、「9.11はアメリカ政府による自作自演の偽旗作戦(敵になりすまし行動して、結果の責任を相手になすりつける行為)だった」と主張するグループも。現場の消防士がビル倒壊前に爆発物を目撃していたり、ビルの倒壊速度が速すぎたりすることを理由に、9.11の再検証を通行人に求めていた。
さらには、9.11陰謀論を主張する男性の姿も見受けられた。通りを歩く人々に対して、彼はチラシを配りながら「真実を求めよう」としきりに訴えていた。
海上から見たニューヨーク。ひときわ高くそびえ立つワンワールドトレードセンターが見てとれる。崩壊した世界貿易センタービルは高さ528mとワンワールドトレードセンターとほぼ同じ高さ。このサイズのビル2棟が数時間で消えてなくなった事実に、事件の規模の大きさと、非現実感を覚えた。
思い返せば、記者がまだ中学生だった頃。テレビをつけた途端、目に飛び込んできたのは映画さながらの惨劇だった。どこか非現実的に思えたことを今でも覚えている。そこから社会問題に意識を向けるようになったことから、この出来事が自分の原点とも言えるのだ。
実際に現地を訪れてみて、事件から16年という年月が経った今でもニューヨークという街全体で犠牲者を追悼し、祈りを捧げている姿が印象的だった。追悼に集まった遺族たちは落ち着いた様子。
私たちは9.11を忘れてはならない。とはいえ、過ぎ去った時が少しでも彼らの悲しみを癒していることを願わずにはいられなかった。
<取材・撮影・文/沢田泰造>
私たちは9.11を忘れてはならない
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