ロシア地下鉄爆発事故のサンクトペテルブルクは日本の京都のような街
4月3日、ロシア北西部のサンクトペテルブルクで走行中の地下鉄車両が爆発。少なくとも乗客ら10人が死亡、50人以上が負傷したと伝えられている。サンクトペテルブルクはプーチン大統領が地方のジャーナリストとの対話集会に出席するため滞在していた。この事件を受けてプーチン大統領は「テロの可能性も含めてすべての可能性を視野に入れている」とコメントを残した。
では、今回のニュースで注目を集めた“サンクトペテルブルク”とは、そもそも一体どんな街なのか。日刊SPA!ではつい先日、サンクトペテルブルクのフォトリポートを掲載したばかりだった。
サンクトペテルブルクはプーチン大統領の生まれ故郷。モスクワに次ぎ、ロシア第2の都市とも呼ばれている。そのゆえんは、帝政ロシア時代の1914年まで首都であったこと。そして現在は文化都市として、多くの観光客を集めている。たとえば、1990年に世界遺産として包括登録されたエルミタージュ美術館をはじめ、聖イサアク大聖堂、血の上の教会など、歴史的な建築物が残る。エルミタージュ美術館は、パリのルーブル美術館とならび、世界三大博物館にも数えられているほどだ。
実際に現地を訪れて取材をした写真家・沢田泰造氏はサンクトペテルブルクという街についてこう語る。
「2月に滞在していたばかりだったので驚いている。サンクトペテルブルクは人口500万人ほどで、文化的に発展した街。ロシア国内では、日本でたとえるなら京都のような位置づけ。ロシアの文豪ドストエフスキーもこの地に住み、有名な作品『罪と罰』はサンクトペテルブルクが舞台となりました」
⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1312291
今回の爆発事故が起きたとされるのは、サンクトペテルブルクの中心部である「センナヤ広場」駅だ。じつは、このセンナヤ広場こそ、『罪と罰』で主人公が自らの罪を告白しようとした場所であり、作品中でも重要な意味を担った。
売春婦ソーニャの残した有名なセリフ。この“十字路”とは、まさにセンナヤ広場を指す。では、その周辺の様子を実際に見ていくことにする。
街中には、旧型のロシア車がよく見受けられる。性能は悪いが、修理が簡単なことから今でも市民から根強い人気だという。
グリボエドヴァ運河にかかる橋。サンクトペテルブルクには運河が多く、「北のヴェネチア」「水の都」と称されることも。現地では水上バスツアーなども催行されている。
センナヤ広場近くのバーにて。そこで働いている女性は、どこか妖艶な雰囲気。この付近には昔ながらの風情がある酒場や露店が立ち並ぶ。
夜も深くなった頃、人通りもまばらで、少し怖いぐらいだという。今回のニュースで奇しくも注目を浴びてしまったセンナヤ広場だが、サンクトペテルブルクの住民にとってはどのような場所なのか。沢田氏が言うにはこうだ。
「車両事故が起きたとされるセンナヤ広場は先述の作品『罪と罰』で主人公ラスコーリニコフが頻繁に訪れていた場所であり、かつ各方面への公共交通が交差する、サンクトペテルブルクの住民にとっては精神的にも物理的にも重要な場所です。そこで今回のような事件、テロの可能性があると聞き、残念で仕方ありません」
このように、現地住民にとってはもちろん、日本人や文学ファンにも愛されるドストエフスキーゆかりの地であるのだ。
現在も混乱が続くサンクトペテルブルク。ロシアの治安当局は捜査を進めている最中だという。被害に遭われた方へ心よりお見舞いを申し上げるとともに、一刻も早く事態が収束することを願う。
<文/藤山六輝、撮影/沢田泰造>
ロシア第2の都市・サンクトペテルブルクとは
事件が起きた「センナヤ広場」駅の周辺
「十字路に行き、大地に接吻しなさい」
売春婦ソーニャの残した有名なセリフ。この“十字路”とは、まさにセンナヤ広場を指す。では、その周辺の様子を実際に見ていくことにする。





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