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川内優輝がフルマラソンを走りまくる理由

「最後の日本代表」と明言し臨んだ今夏のロンドン世界陸上は、2時間12分19秒の9位に終わった。転倒や給水失敗のアクシデントに見舞われながらも、驚異的な粘りで40km以降のタイムは参加選手トップをマークし、日本人1位を死守した。代表引退を惜しむ声は多い。だが、’20年東京五輪は「暑いから、無理!」とさらりと言い切る“最強の市民ランナー”は、今も走り続けている。川内優輝にとって走ることの意味を聞いた――

応援に来た川内ファン(!?)と川内優輝

応援に来た川内ファン(!?)というフランス人コスプレ女子と記念撮影。その様子は現地メディアに取材された

 11月5日、フランスのニース―カンヌ・マラソンは、’09年の別府大分毎日マラソンから数えて川内優輝にとって通算73回目のフルマラソンとなった。結果は2時間15分02秒と振るわなかったが、上位をアフリカ勢が独占するなか、日本人の意地を見せ6位と食らいついた。ちなみに、川内を除く1位から8位の選手は、いずれもケニアかエチオピアの選手だったことを付け加えておきたい。

ニース―カンヌマラソン

サブ10(2時間10分)を目標に、ニース―カンヌマラソンでアジア勢初の優勝を狙ったが、結果は6位。力を出し切ったゴール後は卒倒

 レース後、近況を尋ねると川内はいつも通りのまくし立てるような早口で語り始めた。

「ロンドン(世界陸上)の後は、だいぶ怠けていました(笑)。帰国したばかりの頃は、お世話になった方に食事に誘われることも多く、体重もオーバー気味になって……。通常、夏場の土日は山へトレーニングに行ったりするのですが、そんな気にもならず、2~3週間は家に引きこもっていました(笑)。“3度目の正直”の世界陸上ということで、かなり集中力を使ったんでしょう。ただ、8月下旬あたりからは徐々にモチベーションも回復してきて、最近はまた早くレースに出たいという気持ちが戻ってきました」

毎月1本のペースで海外フルマラソン参戦


 通常、実業団選手がフルマラソンを走るのは年間1〜2回だが、川内は今年の4月以降だけでも大邱(韓国)、プラハ(チェコ)、ストックホルム(スウェーデン)、ゴールドコースト(オーストラリア)、ロンドン(イギリス)、オスロ(ノルウェー)、ニース―カンヌとすでに7回、ほぼ月1本のペースで海外フルマラソンを走ってきた。

「これだけマラソンを走っていると、最近は顔なじみになったアフリカの選手からも『オマエはクレイジーなのか!?』なんて言われます」と笑うが、公務員としてフルタイムで働きながら仕事と競技マラソンの両立を貫く川内にとっては、レースも練習の一環。フルマソラン以外にも毎週のように市民マラソンに参加している。

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12月3日の福岡国際マラソンに備える

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