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箱根駅伝予選会は本戦なみの盛り上がり。主力が欠場した早稲田、明治の結果は…

 日本のお正月の風物詩のひとつ、箱根駅伝。大学のOBやスポーツファンはもちろん、その二日間だけ興味を示す「にわか」の人もふくめて、日本中が毎年注目する大会だ。
第96回箱根駅伝

画像:第96回箱根駅伝公式サイト

 そんな箱根駅伝を、もっと楽しむためには、10月のおわりに行われる「予選会」に注目するのが良い。

「予選会」なのに…観客数がすごい

 10月26日、立川市にある国営昭和記念公園と陸上自衛隊立川駐屯地を舞台に予選会が行われた。
JR立川駅から会場までの人だかり

JR立川駅から会場までの人だかり

 なので、この大会はいわば「Bクラス」の争いであるはずなのに、当日はJR立川駅から会場まで黒山の人だかりで、注目度の高さを物語っている。  箱根駅伝予選会とは、本選出場の残り10枠を今年の出場43校で争う狭き門。20校が出場できる本選で、今年の箱根駅伝でトップ10入りをした10校はシードが確定している。  各校最大12人が出場可能で同時にスタートを切りゴールを目指す。そして各校上位10人の合計タイムが速い順に本戦出場が決まるというルールだ。そのため、遅れてしまった選手でさえ学校の合計タイムを下げないように、また、順位が見た目にはわかりにくいので、ゴールまで死力を尽くして1秒を削り出す過酷なレースである。  予選通過が確実視されている大学がいくつかある。まず、昨年まで12年連続でシード権を獲得していたものの、13年ぶりに予選会に「降りて来た」といってもいい早稲田大学。しかし、スタートを直前にエースの中谷の欠場が発表された。そして同じく本選常連の伝統校である明治大学からも、活躍が期待された三輪が欠場するという報せが出た。それを受け、下馬評で当落線上にいる大学を応援する学生やOBからは「もしかしたら」といった声が、多く出て来た。
当日の様子

当日の様子

 なかでも、昨年ほんのわずかな差で落選し本選初出場をのがした、麗澤大学を応援する人々が色めきだったのが印象的だった。また唯一の予選会初出場となった育英大学も一層力を込めてスタートに備えた。  AM9:35、強豪校のエース級が相次いで欠場することがわかり、一気に混戦が予想されるようになった中で506人の選手が、各校の幟が鮮やかにはためき声援のあがるものすごい応援を聞きながら、一斉にスタート。  例年にないハイペースで展開した前半戦、最初に飛び出したのは明治大学の2年生手嶋選手だった。
ものすごい人の数

ものすごい人の数

 しかしレースが進むにつれて日射しが強まり気温もグングン上昇。先頭集団のスピードが一気に落ちて、順位が大きく変動する可能性がでてきた。大型スクリーンが設置されたゴール地点近くの芝生広場ではその頃、おそらく万単位にはなるであろうほどの人々が集まって、レースの様子に見入っていた。後半に差し掛かると、やはり留学生が強く4着までを各校の留学生が独占。日本人トップは5着で東京国際大学の伊藤選手だった。  そうして、AM11:00ごろまでに全選手がゴールをした。見た目の順位では、昨年の惜しくも次点で出場を逃した麗澤大学や駿河台大学にも大いに出場の可能性があるように思われた。
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箱根駅伝に出場するのは難しいこと
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