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『ろくでなしブルース』主演の前田が、ドラマ初挑戦の小橋へエールを送る――小橋建太の青春おすそわけ#19<前田憲作vol.2>



小橋:選手を育てるということに関して、前田さんはどのスポーツと比べてもトップクラス。本当に素晴らしいものを持っている。人の繋がりって、簡単にはできないじゃないですか。それと一緒で、一人の選手を育て上げることがどれだけ難しいことか。それを何人も育て上げているということは、どのスポーツに対しても負けていないですよ。僕らが現役のときって、他のスポーツに負けたくない気持ちがありましたよね?

前田:ありましたね。

小橋:チャンピオンである以上は、対戦相手だけじゃなくて、他のスポーツと対戦して自分たちのジャンルを上げていかなきゃいけないという思いがあった。

前田:私の時代は本当に、キックボクシングなんて存在しないと思われていた時代だったので、その気持ちはすごく強かったです。引退してからも、日本人選手をいかにヘビー級で勝たせるか、ずっと考えていました。小橋さんくらい大きい選手がいたら、世界でも対等に力と力でぶつかり合えたと思うけれども、なかなかいなかったんです。それでも日本人が活躍しなきゃいけなかったので、頭を捻って、作戦で勝たせた思い出があります。

小橋:プロレスはジュニアヘビー級とヘビー級くらいしか階級がないですから、そこもキックボクシングとの大きな違いですよね。

前田:それも上限がないじゃないですか。小橋さんは巨漢の外国人選手たちに、真っ向からぶつかっていましたよね。

小橋:ボッコボコにされてました(笑)。

前田:見ている人はそういうところに感情移入するし、勇気をもらえるんですよね。

小橋:僕は団体を持っているわけでもないし、前田さんみたいに弟子を持ってるわけでもないですが、Fortune Dream(以下、FD)という興行を通して、またプロレスの面白さを伝えていきたいなと思っています。プロレスと接点がなかった層をもっと取り組んで、広げていきたい。

前田:昨年のFDを見たとき、小橋イズムというか、小橋さんのスタイルをちゃんと継承している選手がいましたよね。そこがすごく魅力でした。

小橋:FDはいろんな団体の選手が出場するので、「この団体の選手は見たことがない」というお客さんも多いんですよ。もう一回見てみたいと思う選手がいたら、今度はその団体に行って応援してくれれば、プロレスが広がっていく。それがFDの狙いでもあるんです。僕ができることは、そういうことかなと思う。

前田:私もいつか自分のイベントをやることで、キックボクシングの素晴らしさを伝えていけたらいいなと思っています。本当に、小橋さんが目標なんですよ。いままでの指導経験を活かして、どうやって苦労を乗り越えたかも伝えていきたいですし。新しいことに挑戦していく精神を忘れずに頑張っていこうと思っています。

小橋:前田さんはいろんなことを経験してきたから、話すことはいっぱい溜まっていると思う。経験してきたからこそ、言えることですよ。前田さんの指導法や理論を聞きたい指導者はたくさんいるはず。学校の先生だったり、企業の社長だったり。僕とはまた違った面で、いろんな講演ができると思います。前田さんにはどんどんそういうところに出て行ってもらって、僕らの世代でガーッと熱い世の中にしていきたいですね。(来週公開予定の次回に続く)

【PROFILE】
●前田憲作(まえだ・けんさく)
’68年5月9日、神奈川県座間市生まれ。1985年、シーザージム入門。シュートボクシングでプロデビュー。シンサック・ビクトリージムへ移籍し、高架下の空き地にサンドバッグを吊して練習する姿が話題に。’92年、キックボクシング日本フェザー級王座獲得。’94年、WKA世界ムエタイスーパーフェザー級王座獲得。’96年、映画『ろくでなしBLUES』主演。’99年、チームドラゴン結成。’02年、K-1 WORLD MAX 2002にて引退。’14年、K-1プロデューサー就任(’16年、退任)。現在はチームドラゴンジム会長として選手育成に励む。

●小橋建太(こばし・けんた)
(株)Fortune KK代表取締役。’67年3月27日、京都府福知山市生まれ。’87年6月、全日本プロレスに入団。“プロレス四天王”と呼ばれるレスラーの一人。2000年6月、プロレスリング・ノアに移籍。’03年3月、GHCヘビー級王座獲得。13度の防衛に成功し、“絶対王者”と呼ばれる。’06年6月、腎臓がんが発覚するが、2007年12月、奇跡のプロレス復帰を果たす。’13年5月11日、引退。現在はチャリティーや講演会など、幅広い活動を続けている。Twitter:@FortuneKK0327

構成/尾崎ムギ子 撮影/橋本一美

尾崎ムギ子/ライター、編集者。リクルート、編集プロダクションを経て、フリー。2015年1月、“飯伏幸太vsヨシヒコ戦”の動画をきっかけにプロレスにのめり込む。初代タイガーマスクこと佐山サトルを応援する「佐山女子会(@sayama_joshi)」発起人。Twitter:@ozaki_mugiko
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