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スノーボード ショーン・ホワイトがレジェンドと呼ばれる理由――難病を克服、スポンサー契約ウン億円…

 スポンサーの彼に対する厚遇ぶりは我々の想像を超える。例えば練習場。ヘリコプターかスノーモービルでしか行けない山奥に、専用のトレーニング施設を造ったのだ。一般人が行き来できる環境では危ないし、集中を欠くためである。ただし、現在はなくしたそうだ。  スノーボード愛好家なら知っているであろう、カリフォルニアの代表的スノボーパーク、マンモスマウンテンの所有者も実はショーン。世界トップレベルのパイプを持ち、アメリカ代表オリンピックチームの公式トレーニングエリアとなるほど設備が充実しているのも頷ける。

 トップクラスのプロボーダーが年収1200万ほど、平均すると300万〜400万といわれている業界において、ショーンはケタ違いのセレブリティである。しかし、それに見合った結果を残しているのも事実だ。トリノとバンクーバー、そして今回の平昌。もっともメジャーな大会において合計3つの金メダルを得て、世界中の大小トーナメントで頂点に君臨した回数は数え切れない。彼が編み出したトリックの多くは、今でも選手たちの目標となっている。また、自分に憧れる子どもたちへの影響に配慮し、ライド時は必ずヘルメットを着用。その姿勢は後進への良い手本であり、ラフなイメージの強い競技を見直させるのにひと役買っている。

 そんな数々の逸話をもつショーン・ホワイト。今回のオリンピック男子ハーフパイプの採点に異論を唱える識者は少なくない。銅メダルのスコッティ・ジェームスですら「どちらが優勝してもおかしくなかった」と述べている。しかし、「彼のベストが出た大会だった」と、ショーンを素直に賞賛する平野選手のように、我々も勝者へのリスペクトを失わずにいたいものだ。<取材・文/金井幸男>
編集プロダクション勤務を経て、2002年にフリーランスとして独立。GETON!(学習研究社)、ストリートJACK(KK ベストセラーズ)、スマート(宝島社)、411、GOOUT、THE DAY(すべて三栄書房)など、ファッション誌を中心に活動する。また、紙媒体だけでなくOCEANSウェブやDiyer(s)をはじめとするWEBマガジンも担当。その他、ペットや美容、グルメ、スポーツ、カルチャーといった多ジャンルに携わり、メディア問わず寄稿している。
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