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男子モーグル・堀島選手の2冠で話題! あまり聞いたことがない「フリースタイルスキー」ってなんだ?

 2018年平昌冬季五輪の代表選考を兼ねたスノーボードとフリースタイルスキーの世界選手権がスペイン・シエラネバダで開催されており、男子モーグルで堀島行真(ほりしまいくま・19歳)選手が初出場で優勝を決めた。しかも、デュアルモーグルでも優勝し、2冠を達成。「これは歴史的快挙です!」で賛辞を送るのは、ソチ五輪・日本代表で、現在は日本代表ハーフパイプコーチとしてナショナルチームにも帯同する津田健太朗さん。 男子モーグルで堀島選手が2冠!「フリースタイルスキー」の魅力って?「男子モーグルは年々エアの難易度が高くなっていますし、スキー技術と速さ、フィジカルの強さ、身体能力の高さとどれをとっても非常にレベルが高いなか、モーグルとデュアルモーグルで優勝し2冠を達成したことは非常にすばらしいことです。19歳という若さですから、まだまだ成長してくれると思っています」(津田健太朗さん)  これまで女子モーグルでは、1998年長野五輪で金メダルを獲得した里谷多英さんや、2009年の世界選手権などで優勝した上村愛子さんらが世界で活躍してきた。一方で男子は、長野五輪からバンクーバー五輪まで4大会連続五輪代表の附田雄剛さんらが世界レベルで活躍してきたが、世界選手権での優勝はまだなかったという。

五輪正式種目として採用され、一気に広まった「フリースキー」

 今回、堀島選手が優勝したモーグルは、「フリースタイルスキー」のなかの1種目。「フリースタイルスキー」とはあまり聞き慣れないが、どんなものなのか? 「フリースタイルスキーとはその名のとおり、スキーで滑りながらジャンプ台を飛んでエアをしたり自由に滑るもので、競技としては『モーグル』、『ハーフパイプ』、エア技術を競う『エアリアル』、複数の選手が同時にスタートして、ジャンプ台やウェーブのあるコースで速さを競う“雪上の障害物競走”と呼ばれる『スキークロス』などがあります。  もともとは1900年代中盤から後半に、プロスキーヤーによるパフォーマンスが行われたのが始まりと言われますが、特に2014年のソチ五輪で『スロープスタイル』と『ハーフパイプ』が五輪正式種目に加わったことで、一気に認知度が高まったのではないかと思います。  また、本格的な競技ではなくとも、ゲレンデのちょっとした地形を利用してジャンプをしたり、雪上で回転するトリックをしたり、後ろ向きで滑るスイッチなどの『グラウンドトリック(グラトリ)』を楽しむスキーヤーも増えています」(津田さん) ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1301269  近年は、ゲレンデに小さいジャンプ台やボックスが設置され、フリースキーを楽しむことができるスキー場も増えている。しかし、いきなりだと難しそうだし、危険そうなイメージもあるが……。 「直滑降と止まることができるレベルの方であれば、フリースキーは誰でも小さいジャンプや低速から安全に楽しむことができます。ただ、実は私も4回ひざのケガをしたことがあるので、皆さんには安全に滑ってほしい、ケガなく上達してほしいと思っています。どんな動きは危なくて、どんな動きなら安全かということがわかっていますから、まずはワイドスタンスやサイドスライド、スイッチの安全な滑り方などを身につけていただけると、ケガなく上達できると思います」(津田さん)  新潟県湯沢にある「神立高原スキー場」では、津田さんをはじめ、フリースタイルスキーW杯スロープスタイル優勝の藤田サイモンさんら、世界で戦ってきた日本を代表する経験豊富なコーチからレッスンを受けることができるという。まずは2~4時間のフリースキースクールでレッスンを受けてみると、フリースキーの基本を知り、安全に楽しく滑ることができるだろう。スキー歴27年の記者もフリースキーに挑戦し、基礎スキーとはまったく違った面白さを感じた。  ちなみに、フリースキーでは後ろ向きに滑ることも多いため、スキー板の後方先端が丸まっている「ツインチップ」というタイプのスキー板を履くのが必要だ。また、もっとエアの練習をしたい人は、トランポリンを使ったり、プールに飛び込むジャンプ台のある施設で夏に練習することもできる。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1301275 「近年、スキー・スノボー人気が徐々に復活してきていて、スキーに飽きてしまったけど、フリースキーを知って新たに始めたという方も増えています。やってみると日常生活では味わえない爽快感もありますし、新しいスキーの楽しさを見つけることができると思います。そして、フリースキーをより多くの方に知ってもらえると嬉しいですね」(津田さん)  現在行われている「スノーボード&フリースタイルスキー世界選手権2017」は3月19日まで。競技を見るだけでなく、スキー場で実際にフリースキーを滑ってみれば、スキーの魅力を再発見できるはず! 【津田健太朗】 高校時代から始めたモーグルで国体や全日本選手権に出場。高校卒業後はフリースキーへ転向。2014年ソチ五輪で初めて正式種目として採用された「スキーハーフパイプ」競技で日本代表に選ばれる。現在は日本代表選手団のハーフパイプコーチとして活動するほか、選手育成やレッスンなど普及活動にも力を入れている。後方滑りからジャンプし3回転して後方着地する「スイッチ1080」などのエアを得意とする https://www.facebook.com/tsudakentaroskiing/ 【藤田サイモン】 雪と無縁の土地に生まれながら、近所の室内スキー場で18歳からスキーボードを始める。プロスキーボード集団「白川塾」の門を叩き、プロスキーボーダーとしてW杯スロープスタイルで優勝。その後、フリースタイルスキーへ転向し国内ビッグ エアコンテストでトップコンペティターとして活躍。「神立高原フリースキースクール」を立ち上げ、津田氏らとともにフリースキーの普及に注力するhttp://saikou424.wixsite.com/freeski-school <取材・文/横山 薫>
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