恋愛・結婚

47歳独身男が女性に告白できない理由「眺めているだけで満足なのです」

 50歳の時点で一度も結婚をしていない「生涯未婚者」は上昇の一途を辿っている。自由恋愛市場において40歳で結婚歴なしはかなり敬遠されるが、一口に独身男といっても、結婚願望のある/なし、楽観的か悲観的かでタイプは分かれる。今回は“負け組”要素をはらむ独身男たちの生態と主張を、詳しく検証していく。
広田さん

夏の真っ昼間というのに冷房をつけず電気代を節約。それでも涼しい顔をしてたたずむ様子からは、ある種の“悟り”すらも感じる。草食独身生活が高じて、奇人変人の部類に……

仏門に入って恋愛に影響が!? 告白できないこれだけの理由

…広田太一さん(仮名・47歳)工場勤務・年収390万円  契約社員として工場勤務する広田さんは、休日返上で宅配業の仕分け作業も掛け持ちしている。それでもやっと年収は300万円台。家賃と必要生活費を払うと、ほとんど残らないのが現状だ。生活圏は職場と家の往復だけで、異性との交流は皆無だという。 「若い頃、僕は一生結婚しないと決めたんですよ。出家するつもりでしたから。だけど大学で仏教学を専攻すると、日本の仏教は商業主義に走りすぎていることに気づいて失望したんです。それで今度は大学院に進学し、学者になって堕落した仏教を変えようと思ったけど、こちらも挫折しました」  典型的なポスドクプアの広田さんは、築地でのアルバイトを皮切りに職場を転々と替えていく。折からの就職難もあって、年齢とともに時給は下がっていった。だが世俗的な成功に関心がないのか、どこか余裕すら感じられる。 「自分から告白することはないですね。人生で唯一付き合ったのがタイ人だったんですけど、それも向こうからでした。旅行ガイドを務めてくれたコが、別れたくないって空港で言ってきたんです」  一度は仏門に身を捧げようとした広田さんだけに、その思想は自身の恋愛活動にも深い影響を与えているようだ。「必要以上に主張しない」「他者のものを奪わない」という理念が、告白しないという消極的行動に表れている気もするが……。 「いいなと思う女性は職場にもいるんですけどね。連絡先も聞かないまま、いつも片思いで終わってしまう。でも、いいんです。眺めていれば私は満足なのです」  仏のように穏やかにほほ笑む広田さん。心の平安と引き換えに、恋愛に対する情熱を失ったかのようだ。ちなみに性欲は月3度の風俗通いで満たしているという。
ギター

どこか浮世離れした様子でギターを奏でる。将来は故郷の東北に戻るつもりだというが、当然ながら仕事のあてはない

― 負け組[独身男]の横顔 ―
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