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ハリル解任で「日本らしいサッカー」連発の新体制に「またかよ…」の声

「“日本のサッカー”ってFIFA60位だよね?」と鼻で笑われた

サッカーカード こうした敗者の精神論でしかない日本らしさは、子供たちのサッカースクールにも及んでいるらしい。ある欧州有名クラブのスクールを日本で運営している男性の話を紹介しよう。  欧州クラブの子供は規定によって国内公式戦には出場できない。そこで地元のスクールと掛け持ちするわけだが、その際、欧州クラブ掛け持ちの子供が干されたり悪評を流されたりすることがあるのだという。  「元Jリーガーが日本らしいサッカーを教えているのに、海外チームのやり方を教えられたら困る」と横やりが入るのだ。これを男性が欧州クラブの本部に伝えると、「FIFAランク60位の“日本のサッカー”を教えてどうすんの?」と鼻で笑われてしまったという。  もちろん、たとえバカにされたとしても“日本らしいサッカー”のビジョンがあるのならまだいい。だが、地元スクール指導者に“日本らしさとは何か”と聞いても戦術論はそっちのけ。しまいには「元Jリーガーだって食べていかなきゃならないんだ」といった浪花節になってしまうのだという。早い話、既得権益を守りたいときに“日本”を持ち出すのだ。

コーチも日本人で固める西野新体制

 今回も、ハリル監督以下、外国人コーチも一掃し、西野新体制では全てを日本人で固めるそうだ。田嶋会長の言葉を借りれば、それこそが「日本サッカー界が蓄積してきた英知」なのだろう。  だとすれば、ロシア大会後も日本の英知による“日本らしいサッカー”が見られるに違いない。ワールドカップまで2ヶ月しかなくても優先させるぐらい価値ある試みなのだから。  いまのところは、そのように信じてみるほかないのだろう。<TEXT/石黒隆之>
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4
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