楽天がケータイ会社に参入!ユーザーにとって「アリかナシか」を予想してみた
ネット通販でおなじみの「楽天」がNTTドコモ、au、ソフトバンクと並ぶ第四の携帯電話キャリアになるとして、注目を浴びている。が、通信企業でもない楽天がなぜ? とも思うだろう。そこで、楽天の狙いや私たちユーザーにどんなメリットをもたらすのか考えてみたい。
楽天といえば、すでに格安スマホ/格安SIMの「楽天モバイル」でケータイ事業にも参入していると言える。2014年にサービスを開始した楽天モバイルは着々とユーザー数を伸ばしてすでに150万ユーザーを獲得、格安スマホでは日本最大規模にまでに成長した。昨年末には、事業に失敗した格安スマホの「フリーテル」も買収している。
こうした格安スマホはドコモなどのキャリアに比べて料金を抑えられるのはご存知の通り。さらに、楽天モバイルは楽天ポイントで料金を支払えるので、楽天の通販を頻繁に利用していると実質無料感覚でスマホを使えるのだ。
そもそも、格安スマホはなぜ安いのか? 格安スマホはNTTドコモなどから携帯電話網を有償で借り受けあたかも自社サービスのようにして安くユーザーに提供している。
なぜ安くできるかというと、自社で回線設備を持たないことが大きい。実際にスマホが掴んでいる電波はドコモのものなので、楽天モバイルのスマホを買っても、通信に必要なSIMカードはドコモ提供のものだし、画面には「NTT Docomo」と表示されている。
問題は、回線を借りている関係で弱点もあることだ。例えば、NTTドコモなどではおなじみの「通話定額」プランを格安スマホは提供しづらい。格安スマホは通話よりもネットなどのデータ通信メインの使い方に向いている……というのが常識だった。
しかし、楽天モバイルは違った。
まず’15年に5分間かけ放題を提供し、その後’16年からは月額2380円で国内通話が定額でかけ放題となる「楽天でんわ かけ放題 by 楽天モバイル」を開始したのだ。格安スマホでかけ放題となると、音声データをインターネット回線にのせるため通話品質の劣るIP電話を利用するタイプの事業者が多い中、楽天モバイルは中継電話という仕組みで携帯電話回線を利用するため通話品質は落ちない。通話するから楽天モバイルという選び方ができたのだ。
もう一つ、格安スマホには速度低下という根本的な弱点もある。
ドコモから借り受けている回線の規模は決まっているので、利用者が多くなる時間帯になると極端に通信速度が低下してしまうのだ。借り受ける規模を大きくすれば良いが、それではコストアップになってしまう。楽天モバイルには、2GBや6GBなどの月間通信容量を使い切っても極端な速度規制をかけないプランが話題を集めたが、これも混雑時間帯に限ってさらなる規制をかけている。
総じて、格安スマホ事業はかなり頑張っていた楽天。しかし、今年3月には「楽天でんわ かけ放題 by 楽天モバイル」を終了するなど限界も見えてきた。そこで、携帯電話キャリアに参入というわけだ。
実はかなり頑張っていた楽天モバイル
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