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パレスチナの虐殺 カメラを構えた正面にイスラエル軍の銃口が…



イスラエルとパレスチナの戦力の差は明らか


 ガザを封鎖するフェンスに無数のパレスチナ人が押し寄せ、イスラエル軍が実弾を発砲。それに対してパレスチナ人は狙撃兵の視界を妨げるためにタイヤを燃やし、パチンコで石を飛ばし、テニスラケットで催涙弾を打ち返す。日本では「暴力と報復の連鎖」などと対等に争っているかのように報道されているが、パレスチナとイスラエルの戦力の差は明らかだ。

ラケットで打ち返す

パレスチナ人の抗議者たちもただ逃げまどうだけではない。テニスのラケットでイスラエル軍の放った催涙ガス弾をはじき返す

 今年は’48年にイスラエルが建国されてから70年。それはパレスチナの人々にとっては、イスラエルによって土地を奪われ、占領下での生活を強いられた「受難の始まり」を意味する。

 もともと今年3月末から「ナクバ」(大災厄の日・受難の日)の5月15日に向けて、毎週金曜にデモが行われていた。その最悪のタイミングでドナルド・トランプ米大統領は歴代の米国大統領が避けてきた、米国大使館のテルアビブからエルサレムへの移転を5月14日に強行した。

 エルサレムは、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の3つの宗教の共通の聖地。その特殊性から国連安保理は’80年、エルサレムを首都とするというイスラエルの決定は無効と決議しており、日本も含め各国はエルサレムに大使館を置いていなかった。

 この前後、パレスチナ自治区では各地で抗議活動が激化した。ガザでは5月14日、イスラエル軍の銃撃で、たった一日で58人が死亡、2700人以上が負傷するという、’14年以来の大惨事に。

 ヨルダン川西岸でも、南部の都市ヘブロンなどで衝突が頻発。中部ラマラでは、邦人記者の田中龍作氏があわやイスラエル兵に撃たれそうになることもあった。

西岸の都市ヘブロン

完全防備のイスラエル兵らが、建物の上から無防備のパレスチナ人に向けて攻撃を行う。西岸の都市ヘブロンにて

 安倍政権が「防衛、サイバー分野」でイスラエルと協力するとしているなか、日本にとっても中東動乱は他人ごとではない。

取材・文・撮影/志葉 玲
― 緊急現場ルポ【パレスチナの虐殺】 ―

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