若者が「テレビはつまらない」って言うのは当然。ディレクター岡宗秀吾のテレビ論
「テレビがつまらなくなった」といわれる昨今。でも、本当にそうなのだろうか? さまざまなメディア、デバイスが登場し、動画コンテンツが溢れる今だからこそ、ちょっと真剣にテレビを見てみませんか? きっと、テレビはめちゃくちゃ面白いはずですから。
『元気が出るテレビ』で学んだ“面白さ”
全国の大学サークルが飲み会のコールを競い合う『全日本コール選手権』など、独自の目線で人気コンテンツを世に送り出してきた岡宗秀吾氏。業界でも異彩を放つ彼のルーツには、さまざまなカルチャーや人物の存在があった。
「’95年の阪神淡路大震災をキッカケに東京に出てきたんですけど、その前から先輩のスチャダラパーやヒップホップの人たちと仲良くしてもらってて。ヒップホップカルチャーだと、仲間の中にビデオを撮れるヤツがいたり、洋服を作るヤツがいたり、DJがいたり、いろんなヤツがいるんですけど、そういう友達付き合いの中で、MVを撮っていた先輩のタケイグッドマンを見て『ビデオを撮って飯を食う道があるんだ』って知ったんです。
当時、タケイ君がビースティボーイズのビデオを撮っていたので、普通にメンバーが遊びに来たりしていて。そういう人たちがたくさん周りにいたんですけど、特に意識せず一緒にいましたね。自分に何かあるとすれば“人の運”だと思います」
岡宗氏が業界に入るキッカケとなった番組は、先輩に紹介された『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』。ADとして面白さとは何かを学んだ。
「番組に出てもらう素人をどれだけ連れてこられるかが、ADの一番の仕事だったんです。それをやっているうちに、素人の“予定調和を崩す笑い”っていうものの面白さに気づいて、のちの『全日本コール選手権』や『高校生RAP選手権』に繫がったんだと思います。
自分はストリートカルチャー出身のディレクターっていう認識があって。だからメインストリームにいるつもりも興味もまったくないんです。テレビの中の激動に巻き込まれずに『知~らね』って感じでいたいんです(笑)」
独自のスタンスを貫き続ける岡宗氏。昔から番組を制作するうえで大切にしている信念があるとか。
「ストリートカルチャーとメインカルチャーの間の“通訳”のつもりでいます。自分の中の本棚から『この本をこう読めば喜んでもらえるかな』と思えるものを選んで、読んでいる気持ちです」
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