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大坂なおみの天然スピーチが、全米を魅了した理由

 9月8日(日本時間9日)、大坂なおみ選手(日清食品)が、全米オープン女子シングルスで初優勝を飾った。これまで日本人の女子シングルは、伊達公子選手(現・クルム伊達公子)が4大大会で4強入りを3度果たしたことがあるが、男子シングルを含めても、錦織圭選手(日清食品)が2014年に成し遂げた全米オープン準優勝が最高なので、日本人初の快挙と言って差支えないだろう。

写真/EPA=時事

日本人として初めて全米オープンを勝利した大阪なおみ選手 写真/EPA=時事

 決勝戦は大坂が幼い頃から憧れていた「女王」、セリーナ・ウィリアムズ選手。4大大会の優勝回数は通算23回で、生涯獲得賞金は8000万ドルを超える女子テニス界のレジェンドだ。セリーナには、今年3月のマイアミ・オープンで一度は勝利していたものの、大坂はこの日も、持前のパワフルなプレーを披露。主審のジャッジにセリーナが猛抗議するなどハプニングもあったが、6-2、6-4と圧巻の強さで女王を撃破した。

 現役時代に女子ダブルスで、全米、全仏、ウィンブルドンと、グランドスラムを3度制した経験を持つテニス指導者の杉山愛氏が話す。

「すでに世界のトップレベルに達しているスイング・スピードの速さやパワフルでダイナミックなプレースタイルに加え、弱点とされていたメンタルが強化されたことが、今回の躍進劇に繋がったと思います。かつては、優勢にゲームを進めながら、精神面の弱さから自滅して試合中に涙を見せることもあった。だが、今季からセリーナ・ウィリアムズ選手のヒッティングパートナー(非公式コーチ)を務めたこともあるサーシャ・バジン氏をコーチに迎えたのを機に、自分の弱点を見つめ、改善するために何が必要かを理解して取り組むようになったのです」

 わたしはうちきなひと――。

 大坂自身も、2年前にそんな自虐ツイートを書き込んでいたように、メンタル面の弱さを自覚していたのは間違いないだろう。そんな内気な性格がバジン氏のコーチングで一変。今や、オンコートでは観客を味方につけるほど堂々の立ち居振る舞いができるようになったというから驚きだ。杉山氏が続ける。

「全米オープンは“特別な空気”に包まれていて、エンターテインメントの国らしく、観客も大いに盛り上がります。スタジアムまで足を運ぶ人たちは、全米から集まった目の肥えたスポーツ・ラバーばかりなので、試合では観客をどれだけ味方につけるかも重要になってくる。彼女自身が盛り上げ方を習得しているのも強みとなっており、試合後に行われるコートサイドのインタビューも、毎回どんなコメントが飛び出すかわからないほどの天然ぶり(笑)。エネルギッシュにプレーする姿とのギャップに、多くの米国人が魅了されているのも頷けます」

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天然キャラ炸裂

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