3万円のスーツが8万円に見える選び方。生地、デザインで大違い
「スーツにいくらかけますか?」
近年ビジネスファッションは多様化し、スーツのみならずジャケット&スラックス、通称「ジャケパン」が浸透してきました。その結果、以前のような高いスーツを選ぶビジネスマンは徐々に減っているのかもしれません。
そこには「着る機会が限定される」という理由だけでなく、実は「ツープライススーツの品質向上」が関係していると私は見ています。ここ最近、3万円スーツブランドの商品クオリティーが驚くほど向上しているからです。
THE SUIT COMPANY、SUIT SELECT、P.S.FA、オリヒカ、ONLY。これらはツープライススーツ5大ブランドと呼ばれています。仕立て職人をルーツとするONLYをのぞき、全て紳士服量販店のグループブランドです。
2000年頃から登場したこれらの業態は、リーズナブルな価格で買える細身スーツということがウケていましたが、この18年間で劇的な進化を遂げています。『毎朝、迷わない! ユニクロ&ツープライススーツの上手な使い方』の著者が「ツープライススーツ5大ブランドを使い倒す方法」をお伝えします。
2000年頃のツープライススーツブランドは20~30代の若手ビジネスマンをターゲットにしていたため、1万9800円と2万9600円、2つの価格で細身スーツを扱っていました。
ところが、当時の若手も年齢を重ね、今ではもうちょっと良質なスーツを着たいというニーズが発生してきます。この気持ちを汲んだかのように、従来のプラス1万~2万円、つまり3万~5万円台のスーツも各社が扱うようになりました。そして、プラス1万~2万円のほうの生地は、セレクトショップで8万円程度で並んでいるスーツと同じクオリティの生地なのです。
もちろん、その仕立てはセレクトショップにくらべて簡略化されているでしょうから、全く同じとは言えません。それでも、以前の安っぽいスーツというイメージは完全に払しょくされています。だからこそ、ツープライススーツブランドに行ったとき、狙いはプラス1万円でワンランク上の生地に絞りましょう。
「スーツは肩で着る」という言葉があります。もちろん、肩を合わせることは重要ですが、同時にアームホールが重視されます。これは、「腕まわりの筒の円周」のことです。
無理がない程度にですが、アームホールが細めのジャケットを選びましょう。胸板が厚く、お腹が凹んで見えるからです。手を下ろしているときに胴回りにくびれもできます。このくびれが胸板を厚く見せてくれるのです。
だからこそ、中胴と呼ばれる胴回りも細身を選びましょう。ボタンを留めたとき、こぶし1個分くらいの余裕は胴回りにほしいですが、極力余らないよう意識します。これは体形問わず、清潔感を見せるために重要なポイントです。
プラス1万円で、3万~4万円のスーツを買うのが賢い
体形補正はアームホールで決まる!
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“あなたのお抱えスタイリスト”として、その違和感を言葉で可視化する。著書『38歳からのビジネスコーデ図鑑』(日本実業出版社)など5冊。MENSA会員。公式サイト「エレカジ」では、80件を超えるコーディネート事例を公開。
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