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人口減少の何が悪い?危機をあおるウソを高橋洋一氏が「未来年表」でバッサリ

 地方でこそ「子供を産んで一人前」という考えがいまだ根強いが、都心部では男性に限らず、仕事に生き甲斐を見つける女性も多い。また、外国人の受け入れについては、犯罪だけでなく、生活保護の不正受給や留学生による高額医療の利用が社会問題になっている。たしかに、量より質を増やす方が、話は早いのかもしれない。 「実際、近年は最低賃金額も上昇しているし、失業率も下がっている。予測できないことを推し進めるよりは、こちらの方がはるかに賢いやり方でしょう。もちろん『人生100年時代』になれば、お上をあてにせず、各々が老後の準備をする必要はあるんですけどね」

最低賃金額の推移

完全失業者と完全失業率の推移

人口減少危機論を煽るのは、地方公務員と無責任な人々

 経済成長さえ遂げられれば、人口減少もさほど問題がないことはわかった。しかし世間では、なぜこれほどまでに人口減少に危機を感じるのだろうか? 「この『人口減少危機論=人口増加幸福論』を支持する“世間”とは、 主に地方公共団体の関係者だと私は見てる。人口が減り続けて、最も困るのは彼らですから」  その地域の人口が減れば当然、いずれは行政規模の適正化のため、市町村を合併しなければならない。民間企業なら支店を減らせば済むことだが、 地方公共団体はそうはいかない。  自治体が合併すれば、2つあった職場が1つで済むわけだから、課長や係長といったポストも少なくて済むようになる。さらに言えば、将来的に職場そのものがなくなる可能性だって大きい。 「1994年に約328万人もいた地方公務員の数は減少を続け、2017年には約274万人と50万人以上減った。そこで、地方役人らは何とかして糊口をしのごうと、「地域に人口を増やそう」と主張する。これが、自己保身的な危機感から人口減少危機論を支持する“世間”の正体ですよ」  しかし、人口減少危機論を煽るのは、彼らだけではないと高橋氏は続ける。 「いわゆるコメンテーターにも、こういった風潮を煽る輩が多い。何でも人口減少が原因と言っておけば済む。ちょっと前にも、デフレは人口減少が理由だと煽る本が売れて、いろんなコメンテーターがこの内容を支持した。デフレに限らず、何でも人口減少のためと言っておけば、誰も傷つかないので、これはいい方便(笑)。特に人口減少は実際に起こっていることだから、それと因果関係はなくとも、同時進行している社会の諸問題と関連付けて説明されると、一般の人は簡単に騙されちゃう」  人口減少危機論とはつまり、それが好都合な人たちによってまつり上げられたものだと高橋氏は言う。都合のいい話題に便乗するのは、世の常。「根拠のない通説」には、くれぐれもご注意を。 <取材・文/日刊SPA!取材班 協力/高橋洋一>嘉悦大学教授。1955年(昭和30年)、東京都生まれ。東京大学理学部数 学科・東京大学経済学部経済学科を卒業。博士(政策研究)。1980年(昭和55年)に大蔵省(現・財務省)入省。大蔵省理財局資金企画室長、プリンストン大学客員研究員、内閣参事官等を歴任した。第一次安倍内閣では経済政策のブレーンとして活躍。「霞が関埋蔵金」の公表や「ふるさと納税」「ねんきん定期便」などの政策を提案。11月2日に、最新刊『未来年表 人口減少危機論のウソ』(扶桑社)を出版。
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未来年表 人口減少危機論のウソ

経済学者・高橋洋一が、いま話題の「未来年表」を一刀両断! 人口減少危機論を煽る黒幕の正体を暴く!!

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