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結局、マイナンバーで会社員は「損する? 得する?」

2016年1月、ついにスタートする「マイナンバー制度」は、果たして会社員の味方なのか否か――錯綜する情報の中から、フツーの会社員が知っておくべきポイントを厳選して解説。備えあれば憂いなしだ! ◆今さら聞けないマイナンバー基本講座
「結局、会社員は損するの? 得するの?」
会社員必読![マイナンバー](裏)マニュアル 日本に住民票がある人(外国籍含む)全員に、一人ひとつずつ割り振られる12桁の「個人番号」――それがマイナンバーだ。「国民総背番号制」などと揶揄されることも多いこの新制度に、不安を抱いている人も少なくないだろう。メディアの見出しも、「資産の中身や医療情報まで丸裸に!」「個人情報の流出で犯罪増加!」「副業がバレる!」などなど、物騒なフレーズのオンパレードだ。  マイナンバー制度の目的として、政府は「行政の効率化」「国民の利便性」「公平・公正な社会実現」の3つを挙げているが、結局のところ、本音は何なのか?
会社員必読![マイナンバー](裏)マニュアル

寺西雅行氏

「国民一人ひとりの『所得』(給与・年金、利息・配当・分配金、保険金など)や『扶養情報』を番号で一元管理することで、税務調査をしやすい環境をつくり、脱税を防いで税収を増やすことのようです。去る9月3日、『改正マイナンバー法』が成立し、マイナンバーの利用範囲が拡大されましたが、施行される前に法律が改正されるなんて前代未聞。税務当局にしてみれば不退転の決意。国の借金が1000兆円を超える中、もはや少しの税金の取りこぼしも許されないということでしょう」(相続ステーション代表税理士・寺西雅行氏) 「税収を増やす」なんて聞くと、つい身構えてしまうが、「“良識的な一般市民”が損をするケースは少ないはず」と識者たちは口を揃える。マイナンバーの導入によって不利益を被る人の多くは「何かしらの不正を行っていた人」か「まともな税金対策を行ってこなかった人」のどちらかだという。  前者の代表例が「生活保護の不正受給」。生活保護を受けている人が、どこかで働いていて賃金を得ているのにそれを申告していないケースや、年金をもらっていることを申告せずに生活保護を受けているようなケースは、飛躍的にバレやすくなる。税金を給料から天引きされており、基本的にはごまかしの手段を持たないフツーの会社員にとって、こうした“不正”への対策は、むしろ歓迎すべきことなのではないだろうか。  なお、後者の例としては「いいかげんな相続対策をしていた人が、税務署から突っ込まれやすくなる」などが挙げられるだろう。こちらは、正しい情報を取得することで回避できる。 会社員必読![マイナンバー](裏)マニュアル【寺西雅行氏】 年間100件もの相続案件を扱う「相続ステーション」代表税理士。 http://www.souzoku-rescue.net/ イラスト/もりいくすお ― 会社員必読![マイナンバー](裏)マニュアル ―
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