「高輪ゲートウェイ駅」周辺ってどんな街? 歩いてみたら珍名所も
とうとう駅名撤回の著名運動まで始まってしまった山手線新駅の「高輪ゲートウェイ駅」。たしかにダサいといえばダサいが、問題はそこだけではない。マズいのは一般公募において1位となった「高輪」(8398票)を差し置いてたった36票しか投票されなかった駅名が採用されたということだ。まさに“出来レース”で命名されてしまった「高輪ゲートウェイ」という街はいったいどんな場所なのか? 名前ばかりに意識が向いてしまい、実際の街についてはなにも知らないといった人も多いと思う。
高輪ゲートウェイ駅は品川駅と田町駅の間に位置し、300メートル先には泉岳寺駅がある。泉岳寺は「忠臣蔵」でおなじみ大石内蔵助(おおいしくらのすけ)をはじめとした赤穂浪士(あこうろうし)と呼ばれる武士たちが祀られていることで知られており、それに関連したツアーが高齢者を中心に人気だ。泉岳寺内にある土産物店で働く女性はこう話す。
「高輪ゲートウェイ駅が客足に与える影響はさすがにまだないですが、これから確実に増えるでしょうね。いまは外国人観光客のおかげで景気はいい方。これからは日本人の客も外国人の客もさらに増えると思います。でも楽しみかと言われればそれだけでもないです。うちは泉岳寺という歴史のあるお寺なので心配はありませんが、近所付き合いのある周りの店が今後どうなってしまうのかは不安です」
品川駅前、山手線新駅の再開発と同時に、泉岳寺駅の拡張と市街地の再開発も決定している。多くの歴史ある店たちが立ち退いたようにやはり地元民には不安要素もある。しかし駅前が大きく変わるだけで渋谷のように街自体が脱皮するようなことはなさそうだ。
街を歩いていると、「閉店後の店舗 泥棒被害発生!」という看板を目にした。再開発によって多くの人が流れてくることになれば、それに伴って治安も変わってくるのか。高輪警察署の警察官に聞いた。
「この辺は土地の値段が高いし、住んでいる層が元々良いからね。治安はかなりいい場所だと私たちは実感していますよ。高級住宅街を狙った犯罪グループがいるわけでもない。地価も上がっているし、高輪ゲートウェイ駅ができても住宅地自体はそこまで変わらないでしょう」
高輪ゲートウェイ駅と泉岳寺駅の前には大規模なビルが4棟立ち並ぶ予定だ。泉岳寺駅前の市街地再開発も駅前の一部分のみであり、駅名の第一候補ともなった「高輪地区」全体が様変わりするわけではない。歩いてみると勾配の急な坂が多く、入り組んだ道も多い。
周辺には築年数を重ねた古アパートも多く、グローバルな雰囲気とは言い難い。泉岳寺駅前には江戸時代に作られた「高輪大木戸」があり、現在もその一部が石垣として残されている。ほかにも明治・大正期の建造物が残っているなどこの辺一帯には歴史がある。
高輪ゲートウェイ駅前はどんな街なのか?
高輪ゲートウェイは歴史ある街、古アパートも多い
1
2
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ