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「高輪ゲートウェイ駅」周辺ってどんな街? 歩いてみたら珍名所も

高輪ゲートウェイ

国際社会の玄関であるゲートウェイに珍名所はいらない

 駅名公募で1位となった「高輪」地区についてはある程度分かってきた。では次に2位の「芝浦」地域に行ってみようとマップを見る。芝浦地区と高輪地区は幅の太い線路の束で隔てられている。そこを越えるには「高輪橋架道橋」というガードをくぐらないといけないようだ。後で知ったがこのガード下、通称「ちょうちん殺しのガード下」として珍名所となっているそうだ。とにかく天井が低く(高さ制限は1.5メートル)、ビュンビュンと走り抜けるタクシーの行灯がスレスレで見ているだけでヒヤヒヤする。
高輪ゲートウェイ

ちょうちん殺しのガード下

 全長230メートルのこの空間は昼間でも薄暗く、等間隔に設置された暖色系のライトが道を照らし、お世辞にも美しいとは言えないが味のある雰囲気を醸し出している。泉岳寺とまではいかないが、このトンネルにも歴史があり思い入れを持っている利用者も多いだろう。とはいえ、思い出があるから残しておくというわけにはいかないだろうが、再開発で確実にこのガード下がなくなることを考えると少しだけ寂しい気もした。  高輪ゲートウェイ駅周辺は歴史が詰まった街だ。泉岳寺や高輪地区だけでなく品川の顔となっている「グランドプリンス高輪」や「グランドプリンス新高輪」も明治時代の宮邸跡地に建てられたものである。
高輪ゲートウェイ

品川駅前も再開発予定

 高輪ゲートウェイという駅名に対して多くあがる反対意見のように、この地区の歴史を保存していくという姿勢であるならば1位の「高輪駅」が妥当だろう。その点、国際社会の玄関として機能していくような街づくりに「街の歴史は必要ない」という意向を、出来レースの「高輪ゲートウェイ」からは感じてしまう。<取材・文・撮影/國友公司>
元週刊誌記者、現在フリーライター。日々街を徘徊しながら取材をしている。著書に『ルポ西成 七十八日間ドヤ街生活』(彩図社)。Twitter:@onkunion
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