お金

ミニマリストという生き方をしても逃れられない呪縛とは?

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。私は、現代のおかしな消費を変えるために実践を重ねながら、いろいろ研究してきました。私は30代のいわゆるバブルを全く知らない世代です。所有欲の薄い世代とは言われますが、私の場合は、むしろ価値あるものは我慢せず所有したいと考えています。そんな私の価値観を、不定期ですがご披露したいと思います。

斉藤由貴生

第7回「いずれ処分しなければならない呪縛」との向き合い方

 人間の変化とモノ自体の変化によって、ある時期に「必要で大事だった」モノも、気づけば「要らない」ゴミへと変化していることは前回、ご説明しました。悲しいですよね。  なんかもう、もったいなくて、モノを消費するのってエコじゃない気がしてきます。  そこで、頭のいい人は気づきました。「なーんだ、じゃあ買わなけりゃいいじゃん!」はい、それが、少し前に話題になった「ミニマリスト」の誕生というわけですね。

ミニマリストになれば消費はコントロールできるのか?

 ミニマリストとは、極限までモノを持たずに生活している人のこと。お部屋には、布団一式とノートパソコンのみ、なんて写真を見たことがある人もいるでしょう。たしかに、ミニマリストという発想は、モノを買う労力も捨てる労力も生じさせない良いアイデアだと思います。なんといっても地球に優しい。  けれども、モノが増える原因って自分だけではなかったりしますよね。一緒に住む家族が原因でモノが増えることもあるでしょう。もしも、ずっと1人で暮らすならミニマリストを参考に生き続けるのもいいでしょうが、パートナー、そして新しい家族ができたとしたら、自分の思い通りに消費ができるものでしょうか?

家族にも自分と同じミニマリストとしての生活を強いることは現実的には難しい

 仮に結婚して子供ができたとします。そうなるとミニマリストの生き方は現実的にある程度崩れますね。子供のためのものは、本人の意志とは関係ないとこで買わなきゃいけないモノばかり。親からすると、何が必要で何が必要でないかという見極めが非常に困難なのです。  そして、子供は速いスピードで成長していきます。1年前、いや数カ月前の服は当たり前のように着られなくなってしまいます。そのため、子供が生まれると友達やら親戚やらがお古をくれるという仕組みがあったりするのですが、それでも学習机やランドセルは買うことになるでしょう。さらに、人からのプレゼントや贈り物もそうです。自分が欲しいものではなかった場合、いつしか処分の対象になりますよね。
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誰かと生活する限り、ミニマリストは難しい
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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