ランボルギーニなのにみんな無視!? ウルスで銀座をパレードランしました
さて、今回の我々の使命。それは、このウルスで銀座と浅草をパレードランし、なるべく多くの注目を集め、なるべく多くの人にスマホで撮影してもらうことである。
走り出してまず驚いたのは、メチャメチャ乗り心地がいいことだった。軽く流す程度でも、V8ターボは「ドルルルルルルル……」と低く唸り、ランボルギーニっぽいワルさ満点。周囲の雑魚ども(軽自動車など)を踏みつぶして爆走しそうな勢いだが、車内は猛烈にカイテキなのだ!
シートには、なんとマッサージ機能がついている! こんなすげえクルマを転がしながら、マッサージを受けているオレ。これがハーレム気分ってヤツですか?
新橋駅前で信号待ちしていたところ、横断歩道のサラリーマン3人組からアツい視線が刺さった。さすが最新のランボルギーニだぜ。
「清水さん! すごいクルマですね!」
なんと通りすがりのスズキ広報部の人たちでした。知り合いかよ……。ほかのサラリーマンたちは見て見ぬふりで通り過ぎる。ケッ、不感症どもめ。満員電車でも乗ってろや。
いよいよ銀座通りへ突入。ウルスに熱視線を送るのは、すべて外国人観光客! 特に中国人! まだ中国にはウルスは入っていないのかも。実は我が国、ランボルギーニの販売台数では中国より上、アメリカに次いで世界第2位なのだ! よーく見とけや、ダッハハハハ!
続いて浅草へ。しかしこちらはバックパッカー系が多く、観光客にもランボルギーニだと認識されてない気配が濃厚。日本人にいたっては、トヨタC-HRと見間違えているのか見向きもしない。ケッ、貧乏人どもめ。雷おこしでも食ってろや。
それでも、ウルスに乗ってるとメチャメチャ楽しい。「オラ! オレだよ、ウルスだよ!」と、無意味にガン垂れながら都内をドライブすれば、大相撲の優勝パレード気分。普通のスーパーカーだと地面スレスレに座るから、周囲から見下ろされちまうけど、スーパーSUVなら見下ろせるからとっても気持ちがイイ!
最後に首都高をひとっ走り。も、ものすごいです……。アクセルを床まで踏み込めば富士山大噴火の如き轟音が響き、レインボーブリッジが崩壊する勢いで加速する。コーナリングもほとんどスーパーカー! ウルトラ無敵気分でちゅ!
こうして任務は終わった。我々は多くの中国人観光客のアツい視線と日本人のチラ見をゲットし、無傷のままランボルギーニ・ジャパン様にウルスをお返しすることに成功したのである。いや~、肩の荷が下りました。やっぱ普段はフツーのクルマがえ~ですわ。気楽で。
【結論】
世界初のスーパーSUVウルスは、「そろそろ地べたに張り付くペッタンコなのはヤメ!」という未来のスーパーカーの姿を明示していた。フェラーリも早くSUVを開発して、頂上決戦してもらいたい。1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中
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