更新日:2023年03月12日 09:19
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「偽装留学生」を食いものにする日本…留学生1400人が消えた東京福祉大の闇

経営に行き詰まった大学がなりふり構わず留学生をかき集めた

 石渡氏が続ける。 「学生の話では、授業の際に筆記用具すら持ってこないやる気のない講師もいたようです。研究生募集のチラシには、『授業料が安い!』『アルバイトがしやすい!』という売り文句が並んでいるだけで、授業の質や内容をアピールするものではありません。  そもそも、東京福祉大の出願資格は『日本語能力試験でN3以上』で、英検でいえば4、5級レベル。大学や専門学校に入る基準としては極めて異例で、実際、合格率は9割を超えていた。少子化が進む日本では思うように学生が集まらないため、昨今の“日本留学ブーム”に乗っかって、経営に行き詰まった大学がなりふり構わず留学生をかき集めたと見て間違いない。  ただ、’01年に山形県の酒田短大(’04年に廃止)で起きた“失踪留学生”の不法就労問題を皮切りに、城西国際大で220人、青森大で140人と、留学生の大量失踪事件はちょくちょく起きている。つまり、今回の一件は氷山の一角にすぎないのです」

大学と留学生を繫ぐ「ブローカー」の存在

 大学と留学生を繫ぐのが「ブローカー」の存在だ。4月に『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)を上梓するフリージャーナリストの出井康博氏が話す。 「そもそも外国人が留学ビザを得るには、アルバイトをしなくても生活できる『経費支弁能力』が求められる。その目安は、親の年収と預金がともに最低でも日本円で200万円程度。留学ビザは法務省入管管理局、在外公館と2段階を経て発給されるが、ベトナムなどから近年急増中の留学生の大半は、この経費支弁能力を有していない。留学生の本国が発行する公的書類が捏造されているのです。  そうした捏造は、留学斡旋ブローカーが現地の行政機関や銀行の担当者に賄賂を払って担う。入管当局はベトナムやネパール、ミャンマーなど7か国を“偽装留学生”の問題国と見なしており、『経費支弁能力』を証明する公的書類の提出を義務づけているが、例えば、平均月収が2万、3万円のベトナムで年収300万円というデタラメなものばかり……。  もちろん、入管当局は捏造だとわかっている。しかし、留学生の出身国の“正式”な書類だからと認めるしかない。最前線の入管担当官は、忸怩たる思いをしていますよ」
日本国内の受け入れ留学生数

’17年末の時点で過去最高を記録。中国、ベトナム、ネパールが上位だ

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