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社会人を経験してから大学生になり良かった点、我慢が必要だった点

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。  私は社会人を経験してから大学に行ったのですが、日本ではそのような行動をとる人は、今でもかなり少ないと言えます。  大学という場は高度な研究を行う場でもあるため、私は一度社会人を経験してからのほうが、その価値がよりわかると思うのです。しかしながら日本の大学の場合、現役重視の文化があるためか、社会人になってから大学に行くという行為が、あまり一般的でないのが残念なところです。

斉藤由貴生

 2005年のOECD教育データベースによると、25歳以上の大学入学者の割合が日本は2%。それに対してアメリカは23.8%で、トップのアイスランドに至っては40.1%もあります。OECD平均で見ても、20.3%が25歳以上で大学に入学しているわけです。  ということで今回は、社会人になってから大学に入学した私が、その良かったところとムカついたところをお伝えさせていただきます。

社会人を経験してから大学に入学してよかった点

●10代ではわからなかった授業の面白さに気づける  先のように、社会人を経た状態で大学に入学するということは、ある程度の経験値がある状態で学べるという環境になります。そうすると、周りの学生は特に興味を示さないような授業も「実は面白い」ということに気づくことができます。“10代ではわからない良さ”がわかるため、必ずしもテストで良い点を取ることが目的にならず、授業の内容を血肉化しやすいと言えます。 ●長く付き合える(年下の)友達ができる  私が10代のころは、「本当の友達は学生時代までにできる」と当時の大人から聞かされましたが、社会人になってから大学に入学することで、「学生時代の友達」を再度得るチャンスを与えられたというお得感がありました。  友達ができるかどうかは、大学や学部ごとの雰囲気にもよるでしょうが、私の場合、たまたま友達が作りやすい環境でした。  私が通っていた筑波大学情報メディア創生学類は、1学年50人程度という少人数。また、理系学部だったため、カリキュラム的にもみんなで協力しないと乗り越えられない授業が多かったため、友達が作りやすかったのです。  私が今でもよく会っている友達は、なんだかんだで大学時代の友達が多いですし、先日も、大学の同級生30人ぐらいでリモート飲み会をやりました。  入学当初は、見た目からして先生に間違えられましたが(笑)、そんな私をすんなり受け入れてくれた当時の同級生に感謝しています。

入学式は東日本大震災の影響で、野外で行われた

●意味のない学歴マウンティング被害に遭わなくなる  学歴に限らず、「オレのほうが頭いい」とマウンティングしてくるヤツがいます。特に私のように、いろいろなことを深堀りするタイプは、格好の餌食として攻撃されがちです(笑)。自分で考えた結果、多数派でない意見、もしくは誰も言っていない意見をいうと、なぜか、まったく詳しくないヤツから反論されがちです。  しかし、大学合格後は、「オレのほうが頭いい」的なマウンティングが少なくなり、楽になりました。  さて、ここまでは良かった点を述べましたが、実際は我慢が必要だった点のほうが多くあります。
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我慢が必要だった点
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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