ピエール瀧逮捕から考える、不祥事による過去作品の封印は誰のためか/鴻上尚史
機械的封印は思考停止
そしてそして、陸中山田駅!
— 岩手県交通政策室【公式】 (@kotuseisaku) 2019年3月23日
大勢の方々が駆けつけてくれました pic.twitter.com/oPSXHyxz7i
東日本大震災以降、不通だった「三陸鉄道リアス線」が、3月23日にようやく開通する記念として、再放送が予定されていた『あまちゃん』の総集編後半が、ピエール瀧容疑者が「東京編」に出演していたので、放送中止になりました。 この鉄道は、番組では「北三陸鉄道リアス線」の名で何度も登場し、北三陸と東京をつなぐ重要な役割を果たしました。意味のある再放送になるはずでした。NHKは、DVDの販売についてもどうするか「関係者と協議中」と答えています。 ピエール瀧容疑者は、現在、社会的制裁を受けています。有罪判決が確定すればさらに受けるでしょう。 が、それと、過去作品が封印されていくことがイコールになるというのは、まるで、子供が犯罪を犯したら親までも罰せられるような大昔の連座制そのものだと思うのです。 NHKも民放テレビ局も、そして大手の映画会社も、100万人が問題にしなくても、10人が抗議したら、機械的に封印するでしょう。それは、文化にとってとても悲しいことだと思うのです。
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