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『チコちゃん』を生み出したプロデューサー、過去にはダウンタウンのヒット番組も…

 「小松純也」という名前を聞いてピンとくる方は少ないだろうが、『チコちゃんに叱られる』(NHK)、『ダウンタウンのごっつええ感じ!』(フジテレビ系)、『IPPONグランプリ』(フジテレビ系)といった超人気番組に携わってきたプロデューサーと聞けば、興味が湧いてこないだろうか?


 そんな小松氏が、今年3月いっぱいで29年間務めたフジテレビを退社し、フリーランスとして活動を開始。今後も現場での活躍が期待される小松氏だが、その経歴は前述したとおり輝かしいものだ。

 そこで今回は、小松純也という人物を、これまで携わってきたさまざまな伝説級の番組と共に振り返っていく。

ADからディレクターへ 輝かしい出世街道


 小松氏は、1967年2月生まれ。大学在学中から放送作家として活動し、フジテレビに入社した。入社後しばらくはADとして活動し、『笑っていいとも』や『夢で逢えたら』といった人気番組を担当。その後、わずか2年目にして『ダウンタウンのごっつええ感じ!』のチーフADになったという。

ダウンタウン

毎週、ダウンタウン松本の思い描く理想にどれだけ近づけるかが、制作・美術・技術スタッフの戦いだったという(画像は『ダウンタウンのごっつええ感じコント傑作集』DVDパッケージより)

『ダウンタウンのごっつええ感じ!』は、フリーディレクターの星野淳一郎氏がディレクターを務めていたが、星野氏が番組を抜けるときに、誰がコントを撮るのかとなったところ、ダウンタウンの2人が小松氏を推薦。晴れてプロデューサーへと昇格を果たしたのだった。

 星野氏からは番組づくりの基本、ダウンタウン松本からはクリエイティブな部分、浜田からはスタッフのまとめ方をはじめとする人間としての薫陶を受けたと、小松氏は3人を師匠のような存在だと感謝しているようだ。

 その後、『笑う犬』シリーズでは、ウッチャンナンチャンと共にコントを作るのだが、『ダウンタウンのごっつええ感じ!』で培ったスキルが活かされたのはあくまで基本の部分だとか。

『ダウンタウンのごっつええ感じ!』では、人間が持つ愚かしさや、子供の頃に感じたザワザワした感覚をみんなで呼び起こして作っていったのに対し、『笑う犬』では、周りを観察し、日常の中にある面白さをすくい取るという、同じコント番組ながら全く違った感覚で作っていたそうだ。

ヒット番組連発! 小松氏の信念とは…?


 コント番組をはじめ、さまざまなバラエティ番組で経験を積んできた小松氏。その後『トリビアの泉』や『ホンマでっか!? TV』など、多くの番組をヒットさせてきたが、そんな小松氏には一貫して通している筋があるという。

 それは“成功体験で仕事をしない”こと。プロになり、自分のやり方を決めてその通りにやっていく仕事はつまらなくなる一方で、やったことのないことを、乱暴でもやるという“アマチュアリズム”を大切にしているという。

 実際、小松氏が手掛けた『トリビアの泉』は、“生きていくうえで何の役にも立たないが、つい人に教えたくなってしまうトリビア(雑学・知識)”という当時目新しかったテーマを視聴者から募集。くだらないが笑えるトリビアを紹介し、大人気番組となった。

 しかし、そんな『トリビアの泉』には、ある失敗があったと小松氏は話している。それは、テーマを狭くしてしまったがために、ネタ切れになってしまった、ということだ。この反省を踏まえて作られた番組が『チコちゃんに叱られる』である。

チコちゃんに叱られる

チコちゃんの問いに応えられないと叱られてしまうという今までにないスタイルで、NHKだけどNHKらしくない不思議な魅力にハマる人が続出している(画像は『チコちゃんに叱られる』公式サイトより)

 一つの語り口を決めて、それに乗っかる形で作っていった『トリビアの泉』に対し、『チコちゃんに叱られる』は、語り口の方法論は何でもありにし、演出の手数が多いことで扱えるネタが多くなるようにしたという。

 さて、ここできちんと説明をしておく必要があるだろう。『チコちゃんに叱られる』はNHKの番組である。『チコちゃんに叱られる』のレギュラー放送が始まったのが2018年4月で、つい先日である2019年3月までフジテレビ社員だった小松氏が、どうして同番組を手掛けていたかということだ。

 実は『チコちゃんに叱られる』は、フジテレビ所属だった小松氏がNHKに出向する、というイレギュラーな形で始まった番組だったのである。このことからも業界内での小松氏の評価が高いことが伺えるだろう。

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